山本有三ふるさと記念館。江戸時代の見世蔵と文豪の歴史

山本有三ふるさと記念館とは

小江戸蔵の街としてしられる栃木市。川越市と共に、関東地方に残る江戸情緒あふれる蔵造りの町並みは、多くの人を魅了してやみません。そんな小江戸栃木市には、かつての見世蔵を改装したさまざまな観光スポットが登場するのです。

今回ご紹介する山本有三ふるさと記念館もそのうちのひとつです。山本有三は、大正時代から昭和にかけて絵活躍した小説家、劇作家で、文化勲章も受賞した人物です。『女の一生』や『路傍の石』といった代表作を残し、参議院議員もつとめたほどの人物です。

そんな山本有三はここ栃木市の出身で、呉服商の跡取り息子として生まれました。高等小学校まで栃木市で育ち、丁稚奉公にだされますが、逃げ出して故郷に戻り若き日をここで過ごしたのです。山本有三ふるさと記念館は、そんな山本有三の生い立ちから作家としての活動、さらにはさまざまな作品まで目の当たりにできる記念館として楽しめます。

また、この記念館は江戸時代の見世蔵をそのまま改装してつくられているため、山本有三の歴史に触れるだけではなく、江戸時代の商家ならではの蔵の内部も堪能することができます。そのほか、栃木市には山本有三ゆかりのスポットが他にも残り、お墓や実家などもすぐ近くに残っているのです。

今回は山本有三の歴史と江戸時代の見世蔵が堪能できる山本有三ふるさと記念館をご紹介します。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

山本有三ふるさと記念館の見所

山本有三ふるさと記念館は蔵の街栃木市のメインストリートにあります。外観は江戸時代の見世蔵そのものです。内部では基本的に山本有三に関するさまざまな展示がされていますが、それだけではなく商家としての土蔵の姿などが随所に見られ、貴重な体験をすることができます。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

山本有三の生誕地

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

入口の土間も蔵の状態をそのままに

山本有三ゆかりの品が多数展示

山本有三ふるさと記念館は2階建ての見世蔵で、1階と2階それぞれに山本有三ゆかりの品が展示されています。1階は、応接室と書斎が再現されており、大正から昭和にかけての文豪の暮らしがかいま見れるのです。入口に入ると江戸時代の蔵らしく土間が広がっており、そこから室内に入ります。

入ってすぐ登場するのが、豪華な洋風のソファーとテーブルでこちらが山本有三の応接室を再現したものになります。その部屋の隣の蔵には山本有三の執筆部屋が再現されており、長年執筆で愛用していたデスクとソファが展示されています。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

山本有三の愛用の机が展示されています。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

応接セットも復元されています

二階には作品や戯曲の原稿、写真が多数展示

一方、二階では、山本有三の数々の作品や戯曲などの草稿、写真などが展示されています。山本有三はその86年の生涯の内で数々の作品を残しました。また活動範囲も劇作家から小説まで幅広く活躍しました。

一般的には代表作である『路傍の石』や『女の一生』などの作品から小説家としての活動が有名ですが、実は山本有三は当時は戯曲、劇作家としてのほうが有名で、映画の脚本なども多く手がけていたのです。更に日本の歴史を題材にした『坂崎出羽守』や、『西郷と大久保』といった歴史小説も残しました。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

山本有三の生い立ちや写真が多数

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

草稿などの資料が多数展示

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

文人の歴史が堪能できます

江戸時代の見世蔵が体験できる

山本有三ふるさと記念館のもう一つの見所が、江戸時代の見世蔵そのものを体験できる点にあります。ちなみに見世蔵とは日本の伝統的な建築様式の一つで、一般的には土蔵などと呼ばれています。もともと土と漆喰をつかって作られている蔵と呼ばれる物が、この見世蔵です。

用途は倉庫や保管庫として使用されてきたものですが、保管庫と店舗を併せ持ったものも多く、この山本有三ふるさと記念館は典型的な連結式の蔵と言えるでしょう。栃木市に残る見世蔵はほとんどが商店の店舗と蔵が一体となった見世蔵です。とりわけこの見世蔵の最大の特徴は、二つの蔵が連結されて作られている変わった作りで、分厚い土蔵の壁で仕切られている姿が目の当たりにできます。

更に、蔵の2階にも上がることができ、土蔵特有の急な木の階段を登って行くことができます。この山本有三ふるさと記念館の見所は、単なる記念館ではなく、このような江戸末期の歴史的建造物を堪能しながら回れることが面白さの一つです。

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

当時の見世蔵を改装されて作られています

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

巨大な蔵の壁がそのまま使用されています

栃木 蔵の街 山本有三ふるさと記念館

蔵と文人の二つの資料が楽しめる貴重なスポット

作品や戯曲の原稿、写真が多数展示

山本有三は日本を代表する小説家、劇作家でその86年の生涯で多くの作品を残しました。代表作には『路傍の石』や『女の一生』などの小説が有名ですが、実は山本有三は当時は戯曲、劇作家としてのほうが有名で、映画の脚本なども多く手がけました。

また日本史を題材にした『坂崎出羽守』や、『西郷と大久保』といった作品もあります。もともと山本有三は当時この見世蔵の隣にあった呉服商の家に生まれました。高等小学校を卒業後、一時浅草の呉服商に奉公に出されていましたが、嫌で故郷に戻り上級学校への進学を希望しましたが、実家の家業を手伝わせられました。

その後、東京の学校に通うために上京、東京帝国大学に進学。上記のように戯曲、劇作家、小説家として歩みだし、戦後には政治家にもなるほどでした。この山本有三ふるさと記念館ではそんな山本有三の作品や写真の多くをみることができます。

山本有三ふるさと記念館へのアクセス

山本有三ふるさと記念館へは、栃木蔵の街のメインストリートである例弊使街道を通っていくことになります。電車でアクセスする場合には東武日光線や両毛線の栃木駅から徒歩15分ほど。また車でアクセスする場合には栃木蔵の街の観光ルートのスタート地点である塚田歴史伝説館や、周辺の駐車場に車を停めて蔵の街の観光とセットで回るのがベストです。

ちなみにカンデオホテルズ佐野からは高速道路を使用し、車で約25分ほどでいくことができます。開館時間は朝の9時から17時で、年末年始意外は空いています。入場料は個人が200円、中学生以下は無料です。

山本有三ふるさと記念館はこちらです

山本有三ふるさと記念館の利用案内

所在地:栃木県栃木市万町5-3
TEL:0282-22-8805
FAX:0282-22-8806
営業時間 :9時~ 17時(入館は16時30分まで)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:一般個人(高校生以上)200円、中学生以下 無料、山車会館共通券(一般個人のみ)550円
定休日:1・2・3・7・8・12月の月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始
最寄り駐車場:蔵の街第1駐車場
アクセス方法:JR・東武 栃木駅 から徒歩約18分、蔵の街第1駐車場から徒歩約3分

山本有三ふるさと記念館のおススメ周辺スポット

山本有三ふるさと記念館の周辺には山本有三ゆかりの観光スポットや栃木蔵の街のおススメ観光スポットが多数登場します。ここでは合わせて見たいおススメスポットをご紹介します。

山本有三の実家跡

冒頭でもご紹介しましたが、もともと山本有三は当時この見世蔵の隣にあった呉服商の家に生まれました。高等小学校を卒業後、一時浅草の呉服商に奉公に出されていましたが、嫌で故郷に戻り上級学校への進学を希望しましたが、実家の家業を手伝わせられました。

その後、東京の学校に通うために上京、東京帝国大学に進学。上記のように戯曲、劇作家、小説家として歩みだし、戦後には政治家にもなるほどでした。そんな山本有三の実家であった場所は現在床屋さになっています。

近竜寺。山本有三のお墓がある

山本有三ふるさと記念館のすぐ近くにあるお寺が近竜寺で、ここには山本有三のお墓もあることで知られています。近竜寺が創建されたのは室町時代の1421年といわれており、その後戦国時代に栃木市を拠点にしていた武将皆川広照によってこの場所に移されました。

栃木県は守護である宇都宮氏が支配していた土地ですが、皆川広照は当初宇都宮氏に仕え、その後巧みに戦国時代を生き抜いて江戸時代まで所領を守り抜きます。この場所に近竜寺を移したのも拠点となる栃木城を築くためだったと言われています。

近竜寺

栃木蔵の街の散策がおススメ

栃木市は小江戸蔵の街といわれるように、江戸情緒あふれる町並みが特長的です。山本有三ふるさと記念館がたつメインストリート、例幣使街道沿いには江戸時代の見世蔵を改装したさまざまな観光スポットが登場し、町歩きを楽しませてくれることでしょう。

ここでは蔵の街栃木のおススメスポットをいくつかご紹介します。山本有三ふるさと記念館の例幣使街道をはさんだ先に登場するのが栃木山車会館です。ここでは栃木市が誇る伝統のお祭りであるとちぎ秋祭りに登場する巨大な山車が展示されていある記念館です。

蔵の街美術館

とちぎ秋祭りは2年に1階開催されるお祭りで、そこでは高さが約8メートルにもお上るさまざまな山車が登場します。この山車には技巧を凝らした巨大な人形が搭載され、歴史上の人物たちの人形が目の当たりにできます。例えば三国志の英雄劉備や関羽、張飛という武将であったり、日本では豊臣秀吉などが見られます。2年に1回しかお祭りはみられませんが、この栃木山車会館ではその山車の展示やお祭りについてみることができます。

この栃木山車会館のすぐ隣にあるのが、蔵の街美術館です。この蔵の街美術館も山本有三ふるさと記念館同様、江戸時代の蔵三棟を改装して作られた美術館で、内部にはアート作品などの展示が楽しめます。もともと栃木に見世蔵が立ちならんだ背景には、蔵の街美術館の背後にある巴波川があげられます。

江戸時代、栃木は江戸と巴波川を通じて交易をしており、材木の産地でした。栃木でとられた材木を巴波川を通じて江戸の木場まで運ぶのが貿易として行われていたのです。そのため巴波川沿いには蔵が立ち並び、例幣使街道沿いには、お店も兼ねた見世蔵が立ち並んだのです。

山本有三ふるさと記念館のある通りには、すこし栃木駅方面に歩くととちぎくらの街観光館があります。このとちぎ蔵の街観光館は、栃木観光に関する情報が満載です。またここでは栃木市ならではのお土産や食事処までそろっており、町歩きの休憩などに最適な場所です。

杤木観光情報館

因みにこの観光案内所も蔵のたたずまいが楽しめる場所で、1階と2階で分かれています。通りに面した見世蔵は観光案内所になっており、その奥にはお土産どころや飲食店、交流ホールなどが設けられており、奥に深い蔵の形を忠実に再現されています。

まとめ 蔵の建物と文人の歴史が両方堪能できる場所

山本有三ふるさと記念館は、なかなか見ることができない江戸時代の見世蔵の内部構造を見ることができる大変珍しい記念館です。また山本有三の原稿や写真だけではなく、愛用の机や応接ソファーなど、多くの品々が目の当たりにできます。栃木蔵の街はその多くが蔵の内部が改修されて様々なスポットになっていますが、山本有三ふるさと記念館は代表的なスポットとしておすすめです。