200年前の土蔵を余すところなく見れる。栃木郷土参考館

日本の伝統建築、土蔵がそのまま残る

日本独自の伝統建築である土蔵。その始まりは安土桃山時代とも言われており、江戸時代から明治に至るまで広く日本各地で建造されてきた建築様式です。土蔵は一般的に土蔵造り、蔵造りなどと言われ、倉庫や保管庫として建てられてきました。

また、場合によっては店舗や住居を兼ねたものもあり、こうした土蔵は見世蔵と呼ばれ、倉庫とは別の建築的進化を遂げました。こうした日本の伝統建築である土蔵が残る街は今では数えられるほどで、「蔵の街」として至る所に土蔵が残る都市はごくわずかです。もっとも有名な都市の一つとして小江戸の通称で呼ばれる川越市ですが、本日ご紹介する栃木市も数少ない蔵の街の代表とも言える場所です。

栃木は、かつて江戸との材木交易で栄えた町。物流の中心である巴波川(うずま川)沿いには今でも当時の名残を残す土蔵が立ち並びます。こうした数多く残された土蔵は、内部が展示館や改装されて美術館や観光案内所として整備されていますが、200年前の土蔵造りをそのまま残しその細部まで目にすることができるスポットが栃木郷土参考館です。巴波川(うずま川)から一本はいった路地に佇む母屋と土蔵は、貴重な歴史的建造物として堪能することができます。

栃木 郷土参考館 蔵の街 小江戸

栃木郷土参考館へのアクセス

栃木郷土参考館は、栃木蔵の街散策のスタート地点とも言える、塚田歴史伝説館から徒歩4分程の場所にあります。塚田歴史伝説館は巴波川(うずま川)沿いにある蔵を改装した展示館で、郷土参考館は巴波川(うずま川)沿いのとおりから一本はいった場所にあります。また栃木のメインストリートである例幣使街道沿いからも入ってすぐの場所にあり、周辺にある蔵の街美術館や、観光協会、山車会館、あだち好古館などとセットで楽しむことができます。ちなみにカンデオホテルズ佐野からは、車で25分ほどでいくことができます。

栃木郷土参考館はこちらです

江戸時代の本格的な土蔵の仕掛けが見れる

栃木郷土参考館は、かつてこの地で質商を営んでいた板倉家の母屋と土蔵をそのまま開放している展示館です。無料で内部までみることができる観光スポットで、建物自体はなんと200年前の江戸時代のもの。本格的な江戸時代の土蔵を目の当たりにすることができます。

土蔵は冒頭でもご紹介しましたが、安土桃山時代から本格的に広まり、江戸時代には貯蔵庫や保管庫として機能していました。そのため、ネズミの侵入を防ぎ、虫などの繁殖を防ぐ仕掛けがされていました。そんな江戸時代の仕掛けがここ、栃木郷土参考館では見ることができます。

例えば入口にはねずみ返しと言われるネズミの侵入を防止する斜めの板が設けられており、土蔵内部に保存された物を守る仕組みが施されています。また、床には柱状の空気孔が設けられており、ここで虫や害虫を駆除する草が炊かれ今で言うバルサンのような役目を果たしていたことがわかります。まさに保管庫としての仕掛けや機能が施されていた造りがそのままみることができる貴重なスポットです。

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江戸時代の蔵ならではのネズミ返し

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草を炊いて害虫駆除の仕掛けが見れる

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蔵の内部から煙が吹き出すしかけ

また、江戸時代の土蔵の特徴として、防火に主力が置かれていました。木造建築が主流であった江戸時代では、一度火事が発生すると一気に町に燃え広がり、全てを消失してしまうため、とりわけ保管庫として使用されていた土蔵には、防火を想定したつくりになっています。壁の厚さはほとんどの土蔵が300mm以上であることが多く、土と漆喰で覆われた頑丈な作りになっていました。

この栃木郷土参考館の土蔵でも、その構造を丸裸にした状態の部分が展示されており、土蔵の頑丈さを目の当たりにできます。こうしてつくられた土蔵は、例え火事によって火の手が回っても、内部に火が回らない作りになっていたとされ、貴重な保管庫としての役割が見て取れます。ちなみに土蔵内部は展示室になっており、さまざまな江戸時代の展示品が飾られています。土蔵の構造とともに楽しませてくれます。

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蔵の扉のしっくいまで見れる

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江戸時代の蔵がそのまま展示室に

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さまざまな郷土品が展示されています

母屋での商店の仕組みも現存。家具の内部までこだわる

ここ栃木郷土参考館では、土蔵だけではなく質商を営んでいた母屋の方の建築も見ごたえがあります。畳が敷かれ部屋まで上がれる母屋では当時の家具がそのまま残されており、さらには家具の内部にも江戸時代からの商品が現存されています。当時は質商として薬も扱っていたとのことで、引出しの内部にはそうした取り扱いの品々が現存されています。このようなところまで気を配っている展示も栃木郷土参考館ならではだと言えるでしょう。

栃木 郷土参考館 蔵の街 小江戸

室内のタンスもそのまま残ります。

栃木 郷土参考館 蔵の街 小江戸

当時の薬もしまわれています

まとめ

栃木は蔵の街としてさまざまな歴史的建造物が残っています。そのほとんどがかつての蔵を改装して使われ、内部は美術館や博物館などに生まれ変わっていますが、郷土参考館は200年前の姿をそのままにとどめる貴重な観光スポットと言えるでしょう。蔵の街散策ルートの一つとしてオススメです。

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