天赦公園。宇和島に残る伊達家ゆかりの庭園

天赦公園とは。伊達家10万石の大名庭園

愛媛県宇和島市は、かつて伊達家10万石の城下町として栄えた歴史を持つ町です。宇和島城を初めそこには伊達家ゆかりのさまざまな観光スポットが登場します。宇和島藩はなんと伊達政宗の長男であった伊達秀宗が藩祖となり、明治維新まで続いた藩として、しばしば幕末に登場します。

特に幕末には四賢候の一人として活躍した伊達宗城や、伊達宗城に呼ばれて軍艦を作った村田蔵六、のちの大村益次郎などが有名です。そして今回ご紹介する天赦公園はそんな伊達家ゆかりの大名庭園として美しい姿をまのあたりにすることができます。

天赦公園は、伊達家7代藩主の伊達宗紀の隠居の場所として作られました。そしてその名前である天赦とは伊達家の祖でもある伊達政宗が隠居した自らを謳った詩に出てくる言葉なのです。回遊式の大名庭園で園内では日本庭園にあるように小さい世界が再現され、貴重な姿をまのあたりにできます。

もともとこのあたり一体は城下の中で特に伊達家の屋敷跡であった場所で、すぐ近くには宇和島市立伊達博物館があったり、幕末に伊達宗城が西郷隆盛と面会した跡地なども存在するのです。

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

天赦公園の由来。伊達政宗の詩

天赦公園は宇和島藩伊達家7代藩主である伊達宗紀が自らの隠居場所として作ったことは既に述べましたが、その名前である天赦は藩祖ともいえる伊達政宗の詩からつけられました。伊達政宗はいう間でもなく独眼竜の異名で知られる戦国大名で、戦国時代後期に登場し、瞬く間に東北地方に一大勢力を築いたことでも知られています。

伊達政宗は地方の一勢力ながらも天下統一を目指していたことで知られていました。しかし政宗が頭角を表した時期は、既に群雄割拠の時代が終わりを告げ、中央に豊臣政権という強大な勢力が成長してきた時代でもあったのです。伊達政宗はやむなく生き残るため、天下への志を捨て、豊臣秀吉に従うことを選択します。

その後、豊臣家から徳川家へ権力が変わる政変にも機敏に対応し、最終的には仙台伊達家62万石の大大名として幕末まで続きました。晩年、70歳まで長命した政宗は、漢詩が好きだったことからよく自らを題材にして詩を作りました。天赦という言葉の元も、政宗が若き日の志を歌った「馬上に少年過ぎ 世は平にして白髪多し、残躯は天の赦す所 楽しまずして是を如何せん」という詩から命名されています。

この意味は、「若い日々に天下に志を立てて戦場に馬をはせた日々は過ぎ去った。今は天下は太平になり、自らは髪も白くなりすっかり老いた。戦国の世を生き延びたのは天の許しだ。この老後を楽しまないでどうするのだ」という、みずからを楽しむような意味が込められています。7代藩主伊達宗紀は、藩祖である政宗の世を楽しむという隠居の意を、自らの隠居場所にも込めたかったのでしょう。

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

眺める角度で景色が変わるのも回遊式の楽しさの一つです。

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

天赦公園の見所

天赦公園の見所は国の名勝にもなった池泉回遊式の庭園です。庭園は池泉回遊式の庭園で総面積が1240平方メートルにも及びます。ちなみに総面積の三分の一を池が占めており、池を中心に、小世界が形成されています。その美しい姿は国の名勝にも指定されているほど。

園内には伊達家の家紋にちなんだ竹が多数植えられていることや、伊達家の先祖とされる藤原氏に因む藤もたくさん植えられています。中でも行けにnかかる太鼓橋式の藤棚は天赦公園ならではのものと言えるでしょう。四季を通じて美しい姿をまのあたりにできますが、毎年6月から花菖蒲が満開になることから、その季節がおススメです。

入ってすぐに登場する宇和島城ゆかりの石

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

伊達家10万石らしい小規模ながらも随所にこだわりが見られる庭園です。

庭園は池泉回遊式の庭園で総面積が1240平方メートルにも及びます。ちなみに総面積の三分の一を池が占める公園となっており、その美しい姿は国の名勝にも指定されているほど。伊達家の家紋にちなんだ竹が多数植えられていることや、伊達家の先祖とされる藤原氏に因む藤もたくさん植えられています。

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

国の名勝にふさわしい回遊式で池と松と茶室の美しい景色が堪能できます。

宇和島 庭園 天赦公園 伊達家ゆかり

ゆったりと大名気分を味あわうこともできます。

天赦公園へのアクセスと周辺の観光スポット

天赦公園へのアクセスは車がベストです。駐車場も数台分完備しているため車をとめてゆっくりみることができます。讃予線の宇和島駅からは車で6分ほどかかります。周辺には伊達家や宇和島藩に関する観光スポットが密集しており、徒歩2分の場所に伊達家の歴史がわかる宇和島市立伊達博物館や宇和島城などがあり、天赦公園といっしょに巡るのがおすすめです。

カンデオホテルズ松山大街道から天赦公園までは車で高層道路をとおり1時間30分ほどでいくことが可能です。ちなみに天赦公園の入場料は大人300円、中学生100円、小学生50円、営業時間は季節によって異なりますが、朝8時30分から夕方16時30分、17時ぐらいまで空いています。定休日も季節によって異なりますが、だいたい第二月曜日が定休になっています。

天赦公園はこちらです

天赦公園の利用案内

所在地:宇和島市天赦公園
電話:0895-22-0056
営業時間 :4月~6月8時30分~17時、7月~3月8時30分~16時30分
休園日:12月第2月曜日~2月末期間の月曜日、年末年始
入場料金 :大人300円/中学生100円/4歳~小学生50円
駐車場 無料

天赦公園と合わせて見たいおススメ観光スポット

天赦公園は伊達家の大名庭園であったことから、周辺にはさまざまな観光スポットが存在します。天赦公園とセットで見ることでより一層充実した観光が楽しめます。

宇和島市立伊達博物館

天赦公園の近くには宇和島市立伊達博物館があります。宇和島市立伊達博物館は、宇和島10万石であった伊達家ゆかりの文化財を収めた博物館です。宇和島藩は伊達政宗の長男である伊達秀宗が初代藩主になって以来、9代藩主伊達宗徳にいたるまで、およそ250年間ほどもこの地にありました。

その歴代伊達家と宇和島に関する文化遺産がまのあたりにできるのです。例えばその代表的な存在として、伊達宗城があります。伊達宗城は幕末の四賢候の一人として知られ、藩の洋式化にとりくみました。初めに日本にペリーが来航すると、宇和島藩独力で黒船を作ろうと試みたり、西洋式の砲台を建設するなど行いました。

その際、のちの日本の近代兵制を立ち上げる大村益次郎を武士の身分に引き上げたのも伊達宗城です。また、宇和島市立伊達博物館には有名は豊臣秀吉画像を所蔵しています。豊臣秀吉画像は国の重要文化財に登録されているもので、秀吉の死後描かれたものです。作者はわかりませんが、一説には狩野派の有力な画家によってえがかれたものとされています。

豊臣秀吉は有名なのがその容貌で、身長150センチ以下の小男で、猿やネズミに似ていたとされていますが、宇和島市立伊達博物館に所蔵されている豊臣秀吉画像ではその姿を伺うことができます。宇和島市立伊達博物館にはかつての大名庭園であった偕楽園跡の一部がのこされています。

江戸中期に作られた借景式の回遊式庭園でかつては豊富な清流が流れる大きな日本庭園でした。現在はその跡地を復元したもので枯山水式に改められています。

宇和島 観光スポット おすすめコース

宇和島市立伊達博物館の利用案内

所在地:〒798-0061 愛媛県宇和島市御殿町9番14号
TEL:0895-22-7776
FAX:0895-22-7819
開館時間:9時~17時(但し、入館受付は⒗時30分まで)
休館日:毎週月曜日及び年末年始は12月29日~01月03日※但し、月曜日が祝日にあたる場合は翌火曜日が休館)
入館料:大人500円、大学生400円、65歳以上400円、高校生以下無料
駐車場:有 無料

伊達宗城と西郷隆盛会見の地

宇和島市立伊達博物館の入り口の前には、かつて伊達家藩主であった伊達宗城と西郷隆盛が会見した場所の跡地があります。伊達宗城は幕末の四賢候として、薩摩の島津斉彬、土佐の山内容堂、越前松平春嶽と共に数えられた人物です。先見の明があり開明的な君主として宇和島藩の欧化政策に取り組みました。

この四人の大名による会議が四賢候会議として開催され、その開催の打ち合わせのために西郷隆盛がこの地を訪れ会談しました。西郷隆盛は幕末には薩摩藩の実質的な指導者として、討幕活動を行っていました。そんな会見の場所がこの地で行われたのです。

宇和島 観光スポット おすすめコース

宇和島城

天赦公園からは車で5分ほどの場所にある宇和島城も宇和島観光の見所のひとつです。宇和島城は伊達家10万石の居城として知られ、巨大な平山城としてその姿をのこしています。宇和島城は戦国時代の武将として知られ、築城の名手といわれた藤堂高虎によって作られた堅城です。

藤堂高虎はその生涯でいくつもの城を作り、その多くが現代にまで残されています。宇和島城は、もともと宇和島湾まで城壁が存在していた巨大な城で、海も自然の堀として活かされていたと言います。また現在の本丸がある山は自然の山をそのまま利用したのもで、難攻不落の様相を呈しています。

藤堂高虎はこうした自然の地形をうまく活かして城を築城する名人で、同じく四国に作られた大洲城なども肱川の流れをうまく堀として取り入れた天然の要害が注目です。現在の宇和島城は藤堂高虎が建設し、その後初代宇和島藩主伊達秀宗が改築して現在の姿になったと言われています。

見所としては入口である桑折氏武家長屋門から入り、本丸の急坂な山を登り天守閣に続きます。天守閣まではかなりの急な道であるため、攻めにくさが実感されます。天守閣は白塗りの美しい天守閣で、本丸からの眺めは、宇和島市の市街地と宇和島湾まで見通すことが出来る美しい絶景を楽しむことが可能です。

宇和島 観光スポット おすすめコース

宇和島城の利用案内

所在地:宇和島市丸之内1-127
電話:0895-22-2832 (郷土館 電話:0895-22-3904)
営業時間 :3月~10月6時~18時30分、11月~2月 6時~17時
天守閣:3月~10月9時~17時、11月~2月 9時~16時
郷土館:3月~10月9時~17時、11月~2月 9時~16時
休館日:無休
天守閣入場料金:大人200円/中学生以下無料

まとめ 

天赦公園は小さいながらも美しい大名庭園として、日本の文化をかんじることができる庭園です。園内の中央にある池を中心に、橋や書院式茶亭である潜渕館(せんえんかん)が設けられ充実した時を与えてくれることでしょう。周辺の宇和島市立伊達博物館や宇和島城とセットで回られるのがおすすめです。