縮景園。広島藩主浅野家の大名庭園

縮景園とは。広島市を代表する大名庭園

広島県は江戸時代には安芸と備後という二つの国に分かれていました。特に安芸国は、江戸時代を通じて浅野家が統治していました。浅野家といえば、赤穂浪士などで知られる浅野内匠頭が有名ですが、この赤穂藩の浅野家の本家ともいえる存在が芸州広島藩浅野家です。

この浅野家の大名庭園として知られる存在が本日ご紹介する縮景園です。縮景園は、初代広島藩主でもある浅野長晟の代に作られた庭園として知られ、何と現代の1940年に浅野氏から広島県に寄贈されるまで浅野家の別邸として使用されていた庭園です。

その後、広島県の庭園として利用されるようになりましたが1945年に原子爆弾が広島に投下されることで縮景園は壊滅的な被害を受けてしまうのです。

それも原子爆弾の爆心地からわずか1.35キロメートルという近さにあったためで、およそ300年以上続いた浅野家ゆかりの大名庭園は破戒されてしまったのです。

その後太平洋戦争が終結するとともに、1951年から復旧が始まり1970年には完全に復旧を遂げました。そんな原爆の被害を受けたことから、縮景園には、当時庭園内で被爆した方々も埋葬されています。

また、この縮景園の周りには広島県立美術館があり、すぐ近くには晶紀広島42万石の大藩であった浅野家の居城、広島城もみることができます。本日は広島市を代表する大名庭園、縮景園をご紹介しましょう。

縮景園

縮景園の見所とは

縮景園は、現在では国の名勝にも登録されている大名庭園です。大名庭園の一つの特長として、池と水が存在するが、この縮景園は、中国の西湖周辺の風景をモデルにしており、その風景を縮めたことから、“縮景園”という名前が付けられました。

この名付け親は江戸幕府に仕え武士の教育として朱子学を学問とするよう定めた林羅山だともいわれています。そんな縮景園の見所をここではご紹介しましょう。

縮景園

借景庭園としての風景

縮景園は日本庭園でよくみられる手法の一つである借景庭園として風景を楽しめます。借景庭園とは、庭園の外にある風景を庭園内に取りこむことで一つの風景を構成する手法で、縮景園では、宗箇山などの山を風景に取り入れています。

ちなみに後ほどご紹介しますが、宗箇山の名前の由来にもなった武将、浅野家の部将、上田宗箇が、この縮景園を実際に作った人物です。武将や茶人としても知られる上田宗箇は戦国時代生き残りの武将として88歳まで生き、浅野家を支えた人物の一人です。

借景庭園としての縮景園は、庭園内の池や樹木と共に見るものに安らぎを与えてくれることでしょう。また広島駅のすぐ近くにあることから、広島駅周辺の駅ビルなどが見える景色になっています。

縮景園

濯纓池(たくえいち)と跨虹橋(ここうきょう)

縮景園のもう一つの見所が、庭園内の敷地面積のおよそ20%を占める濯纓池(たくえいち)です。日本庭園の大きな特長の一つが、庭園内で大きな面積を占める池ですが、この縮景園も、中国の西湖周辺をモデルにしていることから、濯纓池(たくえいち)が景色の主要な役割を果たしています。

庭園内の散策ですが、基本的に縮景園の中央部にこの濯纓池(たくえいち)があり、その周りに樹木が多数生えており散策する形になります。

また、この濯纓池にかかる橋として見所なのが跨虹橋です。跨虹橋は「ここうきょう」とも呼ばれる石の橋で、7代藩主である浅野重晟が2度も作り直させたと言われている橋です。この跨虹橋(ここうきょう)は、濯纓池(たくえいち)を渡ることができるアーチ状の石橋で、長さ27.4m×幅2.1mの大きさを誇る橋です。

また、主要な部分は火山岩の種類である花岡岩でできており、戦前から残る貴重な建物として目の当たりにできます。

縮景園

東西南北4つのエリアが楽しめる構造

縮景園は初代広島藩主浅野長晟から歴代藩主たちが増築をしてきた庭園として知られ、かなり広い大きさを誇っています。

そしてエリアも東西南北の四つのエリアから構成されておりそれぞれ見所が存在します。縮景園の入り口でもあり、庭園の中では南に位置する南側エリアでは、木造平屋建ての寄棟造・柿葺の建物である清風館が見所です。一方、東側エリアでは、園内最高峰の小山(標高10メートル)である迎暉峰(げいきほう)があり、庭園内を見通すことができます。

かつてはここから広島湾まで見通せたとされる小山で、そんな歴史を感じさせてくれることでしょう。またこの東側エリアには茶会なども催されていたとされる悠々亭(ゆうゆうてい)があり、大名庭園の風情を感じさせてくれます。

日本の大名庭園の特長の一つが、小さい水田があることです。これは江戸時代の藩の経済が米を中心に回っており、その土地の大名は、毎年の豊作を願っていたことから五穀豊穣を願う小さな田んぼを設けています。東側エリアでは、有年場(ゆうねんじょう)といわれる4枚の田んぼが見ることができます。

縮景園

上田宗箇とは。武将にして茶人、縮景園を作った人物

この縮景園を作った人物は、上田宗箇といわれる人物です。上田宗箇は浅野家の家老として仕えた人物として知られ、武将としても茶人としても知られる人物です。

大名としての浅野家はもともと豊臣秀吉の家臣として、初代浅野長晟の父である浅野長政から始まる家で、急激領地も大きくなったため、大軍を采配できる侍大将が少なかったと言われています。そんなときに、一躍注目されたのが上田宗箇です。

上田宗箇は、織田家の大名としては、浅野家よりも上位であった丹羽長秀に仕えた武将で、本能寺の変で信長に謀反を起こした明智光秀と姻戚であった津田信澄の首をあげたことでも有名です。その後上田宗固は、蜂須賀家の客将などをつとめ浅野家にこわれて侍大将になった人物です。

浅野家の部将として、大坂の陣にも出陣し、有名な塙壇右衛門を討ち取ったことでも知られています。浅野家では1万石以上の領地を持つ大名並みで、家老として仕える一方、この縮景園の設計や造作も手掛けたのです。

縮景園の利用案内

所在地:〒730-0014 広島市中区上幟町2-11

TEL:082-221-3620

FAX:082-221-0515

営業時間:4月1日~9月30日(9時~18時)、10月1日~3月31日(9時~17時)

入園料:一般260円 / 高・大学生150円、小・中学生:100円

縮景園へのアクセス

縮景園は、広島駅と広島城の中間あたりに位置しています。広島城までは徒歩で⒑分ほど、広島駅までは歩いて15分ほどの場所にあります。更には広島市の繁華街でもありカンデオホテルズ広島八丁堀もある八丁堀エリアまでは歩いて10分ほどで行くことができます。

また、広島市内の移動は路面電車が数多く走っており、縮景園前という駅を利用することができます。

縮景園の周辺観光スポット

縮景園の周辺にはさまざまな観光スポットが存在します。縮景園そのものが広島藩藩主である浅野家の庭園だったことから、その居城である広島城などが見所です。また縮景園の中には広島県立美術館と広島県立図書館があります。

広島県立美術館

縮景園のすぐ隣にある美術館が広島県立美術館です。この美術館は、中国地方初の公立の美術館で、延床面積19,926m2、地上4階地下1階の大きな美術館です。1920年代から30年代のアジアの美術品が多数収蔵されており、その数は、何と4500点にも上ります。

中でも国の重要文化財として知られる色絵花卉文輪花鉢伊万里が有名です。また縮景園と同時に、広島県立美術館も浅野氏の別邸であった場所に建てれており、こちらも縮景園とセットで見ることをおススメします。

広島県立美術館の利用案内

所在地:〒730-0014 広島県広島市中区上幟町2-22

TEL:082-221-6246

最寄り駅:縮景園前駅から徒歩約1分-道案内

営業時間:9時~17時

休館日:月曜日

入場料:一般510円、大学生310円、高校生以下無料

広島城。毛利氏、福島氏から続く浅野氏の居城

お次にご紹介するのが広島城です。広島城は浅野氏の居城として明治時代まで続いたお城です。また、それ以前の領主である福島氏、毛利氏の時代からこの地方の一大拠点として機能してきました。

もともと広島城は、中国9カ国の大大名として戦国時代に勢力をふるった毛利氏の居城として作られたのが始まりです。もともと毛利氏は広島山間部にある吉田郡山城を居城にしていましたが、大大名に成長するにつれ、交通の便なども考え、広島城が新たに建設されたのです。

当時の記録では、豊臣秀吉も朝鮮出兵で九州の名護屋城に無勝途中立ち寄ったとの話があり、そのころから天守閣があったともいわれています。

その後、関ケ原の戦いで毛利氏が山口県に移ると、福島正則が領主として広島城に入城します。福島正則は、広島城を更に拡張し、何とその規模は現在の広島湾まで広がっていたとされ、1キロメートル四方にも及んでいたとか。その後福島氏が改易されるとともに浅野氏が領主となります。

かつての広島城は、太平洋戦争末期の原子爆弾によって崩壊するまで、日本に残るお城として岡山城の天守閣についで古く、国宝として知られています。その後、天守閣や二ノ丸などの施設が復興され、当時の姿が再現されています。そんな広島城には見所が盛りだくさんです。

広島城の最大の見所の一つが天守閣です。かつて存在していた天守閣を忠実に再現したつくりとなっており、当時の姿がしのばれます。また内部は博物館になっており、広島城に関する歴史的な展示を見ることができます。広島城の見所として、更におすすめなのが復元された二ノ丸です。

二ノ丸の周囲には、多聞櫓や太鼓櫓など広島城の防御拠点が再現されておりこちらもおすすめです。

広島城

広島城の利用案内

〒730-0011広島市中区基町21番1号

TEL:082-221-7512

FAX:082-221-7519

開館時間:天守閣9時~17時、二ノ丸9時~16時30分

天守閣料金:大人370円、シニア&高校生180円、中学生以下無料

まとめ

これまでご紹介してきたように縮景園は浅野氏の大名庭園として、中国の風景を縮めた美しい景色を楽しませてくれます。また、その周辺には広島県立美術館や広島城など文化と歴史が味わる観光スポットが登場します。ぜひ、広島の江戸情緒あふれる観光が楽しみたいなら縮景園がおススメです。