島田宿。大井川沿いの江戸時代の宿場町

 

島田宿とは、江戸時代の宿場町がそのまま残る場所

日本最大のお茶の産地として有名な静岡県島田市。そんな島田市には様々な観光スポットが存在します。特にこの地域は古来から大井川の影響を受けている地域。観光スポットも大井川ゆかりのスポットが登場します。

本日ご紹介する島田宿もそんな大井川の影響を大きく受けている観光スポットです。江戸時代には、5街道という街道網が整備され、参勤交代などの影響もあり日本全国の移動が活性化しました。また宿場町といわれ、旅人たちを泊めたり、参勤交代で上京したりする大名行列を泊める町が日本全国に設けられました。

この宿場町の名残は現在、日本の一部の地域などには残されており、江戸時代ならではの雰囲気を味わうことができますが、本日ご紹介する島田宿はそんな宿場町の中でも特殊な制度がある町です。

島田宿は有名な東海道五十三次の二十三番目の宿場町として、大井川を挟んで隣の金谷宿まで行くための宿場町(もしくは逆)ですが、大井川を渡るためには川越をしなければならなかったのです。

というのも当時、大井川には橋がかけられておらず、また船で渡ることも禁止されていました。橋を架けなかった理由はおそらく防衛上の理由からかと思われますが、こうした状況から人を担いで渡る川越制度という独得の制度が設けられました。

島田宿はそんな珍しい江戸時代の制度が垣間見える宿場町として国の史跡に認定されています。

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島田宿へのアクセスと周辺の観光スポット

島田宿は冒頭でもご紹介した通り大井川沿いにあります。JR東海道本線の島田駅から車で10分ほどの場所にあり、宿場町の大井川沿いには、島田市博物館も設けられています。

また、大井川を祀る大井神社や、「世界最長の木造歩道橋」としてギネスブックに認定されている蓬莱橋、大井川鉄道が見れる新金谷駅、牧之原台地などが周囲にあります。カンデオホテルズ静岡島田からは車で20分ほどで行くことができます。

 

島田宿の見所

島田宿の最大の見所は江戸時代ならではの宿場町の雰囲気がそのまま再現されている点です。宿場町はこの島田宿がある東海道五十三次をはじめに江戸時代に本格的に整備されましたが、数百メートル以上にわたって、街道沿いに様々な建物が残されている場所です。

島田宿川越遺跡も、数百メートルにわたり、当時の宿場町の様子が再現されています。この宿場町は現在は国の史跡にも指定されている観光スポットで正確には島田宿大井川川越遺跡と呼ばれています。

日本全国には様々な宿場町が残されており、長野の下諏訪宿や、奈良井宿などが有名で、当時の旅人が泊まる旅籠や、大名行列の大名、武士などが泊まる本陣、脇本陣、多くの茶屋などの商店が存在します。

しかし、この島田宿では他の宿場町ではみることができない独特の史跡をみることができるのです。

島田市 島田宿川越遺跡 歴史観光スポットその先に残るのがこの地ならではの独特の宿場町です。

 大井川の状況で料金が変わる。川越人足と川越制度

当時、大井川は東海道最大の難所としてしられ、「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と歌われたほどでした。当時の大井川は非常に流れが速く、船で渡ることも禁止されていました。

ちなみに江戸時代は、徳川幕府の政策によって、新規なものはダメという風習があり、特に軍事、防衛上に関するものは禁止されていました。おそらく大井川を渡るための船や橋もこうした政権保持の政策の一環だったのかもしれません。

そのため、当時大井川は、一人で渡ることはできず、川越人足と呼ばれる屈強な人によって担がれてわたる風習が出来ました。この川越人足による渡しは1696年に制度がかされ、川越制度として料金も決められたのです。

この独特の川越制度は、特別に川庄屋と年行事という役職が任命され、運営されていきました。例えば年行事とは川越人足の長老が務め、川越のための賃銭の取立てや、帳簿管理、人足の管理などを行い、運営を行っていました。

ちなみに当時の川越人足の人数は、島田宿と隣の金谷宿それぞれ360人と決められていましたが、幕末のころには650人にもなっていたとのことです。

面白いのが川越に支払う川越賃銭で、大井川の状況によってその料金が変わる仕組みになっていました。その水の高さに応じて川札を購入して渡る仕組みで川越人足の肩にまたがって大井川を渡るという仕組みです。

川越が禁止され渡ることができないのが、増水時のときで、その場合は脇通四尺五寸(約136cm)を超えた場合とのこと。

島田宿川越遺跡では、この川越制度に関する川合所や、川札を購入する札所など、独特の文化をみることができるのです。この制度は、明治時代になるまで続きました。

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大雨で大井川が増水すると旅人たちは足止めを喰らいました。人足も宿で待機です。

 川越制度ならではの建物。堤防のせき跡、川会所や札場

このように、島田宿は川越制度や大井川の増水時を考慮した建物が数多く残されている宿場町です。島田市博物館から島田宿に入ると、最初に目にすることができるのが、「せぎ跡」と呼ばれる堤防跡です。当時の大井川は流れも急で、増水時には氾濫を起こす危険性もあったため、堤防の整備がこの宿場町にもされていたのです。

また、現在はこのあたりも舗装され道路として機能していますが、江戸時代はこの「せき跡」より西側が大井川の川原になっており、ここから川越が始まったとされています。

この「せき跡」から更に進むと島田宿が登場しますが、ここから先が川越制度ならではの特長的な建物をみることができます。まずはじめに川越制度で代表的な存在が「川会所」です。

「川会所」とは上記の川越の料金の決定や、川越するためのチケット、川札を売っていた場所で、現在残っている建物は1856年に建てられたものです。当時旅人はこの川合所で川越の手続きをし、その日の大井川の状況によって料金を支払っていました。

さらにそこから進むと、左右にかつての宿場町の町並みが広がります。ここでは川越人足たちのための建物が登場し、「札場」などもみることができます。「札場」は川越が終了した後、札を回収して川越人足たちにお金を払う場所です。

建物の中では当時の川越人足と思われる人々の人形なども展示され、当時の雰囲気が再現されているのです。こうした川越制度に関する独自の建物も島田宿ではみることができるのです。

 

島田市 島田宿川越遺跡 歴史観光スポット入口からほどなく登場する堤防跡です。

島田市 島田宿川越遺跡 歴史観光スポット人足の管理運営や、川を渡る札をもらう札場などが残されています。

島田市 島田宿川越遺跡 歴史観光スポット川会所です。

島田市博物館も合わせて見たい。島田宿の入り口

島田宿の入り口、大井川がある側にあるのが島田市博物館です。島田宿の遺跡はこの島田市博物館とセットで訪れることでより一層理解が深まります。島田市博物館は、「旅と旅人」をメインテーマとした博物館で、江戸時代の当時の島田宿を中心とした展示がなされています。

またここでは島田宿の川越制度以外に、島田市が誇る3つの文化と伝統について知ることができます。第一が、島田大祭です。島田大祭とは日本三大奇祭とされるお祭りで、3年に1度開催されるお祭りです。江戸時代の元禄年間から続くこのお祭りは帯祭りといわれる女性のためのお祭りで、300年以上続く伝統的なお祭りです。

また展示の第二が島田髷です。島田髷は江戸時代初期に登場し、現代でも使用される女性の髪形のことです。当時は未婚の女性の髪形として、また遊女や芸者など花柳界での髪型として一般的になり現代でも見ることができます。

この島田髷は、島田出身の遊女、虎御前が考案したもので、その展示も見ることができるのです。

島田市博物館の見所の第三は、刀鍛冶です。島田は江戸時代、刀鍛冶の産地としても知られ多くの刀工が集まる場所とされました。この刀鍛冶は戦国時代から有名で、徳川家や今川家、武田家などからも高く評価されていたといいます。

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 島田市博物館の利用案内

所在地:〒427-0037/静岡県島田市河原一丁目5番50号

TEL:0547−37−1000

FAX:0547−37−8900

開館時間:午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) 祭日の翌日 年末年始 臨時休館日

料金:一般300円、中学生以下無料

 

 島田宿の周辺の観光スポット

島田宿の周辺には合わせて見たい観光スポットがいくつか登場します。ここでは大井川から東、島田宿側の付近の観光スポットをいくつかご紹介しましょう。

 

大井神社。島田の帯祭り

島田宿から車で10分ほどの場所にあるのが大井神社です。大井神社は大井川を祀る神社として、1000年以上前からこの地域で親しまれてきました。古来、川は大自然の象徴でもあり、恵みをもたらす代わりに洪水などによる災害ももたらしてきました。

実際、この地域は大井川によって水路が発展し農耕が盛んになるという反面、時たま起こる大洪水によって、信仰の対象となっていたのです。大井神社はそんな島田の地域にとって大井川とともに欠かすことができない神社なのです。

ここ大井神社では、島田の文化の一つでもある帯祭りが三年に一回開催されることでも有名で、その歴史は1695年から続く伝統あるものです。帯祭りは3日間開催され、最終日には大名行列まで催されるほど。

ちなみにこの島田の帯祭りは現在では静岡県の県指定無形民俗文化財にも登録されています。

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蓬莱橋

島田市の観光スポットとして欠かすことができない存在が蓬莱橋です。この蓬莱橋は「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてギネスブックにも登録され、現在では多くの観光客が訪れます。

ちなみにその長さは全長897メートルにもおよび、ほぼ1キロ近い長さの橋になります。この蓬莱橋は明治初期に大井川を渡る橋として設けられたもので、今回ご紹介した島田宿と、現在では日本最大の茶畑である牧之原台地を結ぶために設けられた橋なのです。

ちなみに牧之原台地は現在では日本最大の茶畑ですが、明治初期は不毛の大地だった場所で、徳川家の武士たちによって開墾され、現在の姿になりました。

蓬莱橋は牧之原台地を宝の山を意味する「蓬莱山」に例えたことに由来するとされており、当時不毛の地であった牧之原台地が、いずれ自分たちの働きによって宝の山になるだろうという当時の武士たちの不屈の信念が隠されているようです。

この蓬莱橋はわたるためには有料で、大人100円、小中学生10円の通行料金がかかります。

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まとめ

島田宿は大井川や大井川を祀る大井神社、そして版籍奉還後、この地域の発展の核となった牧之原台地や、牧之原台地と島田宿を結ぶ蓬莱橋など、この地域の主な観光スポットの一つとして、非常に価値ある史跡です。

また、江戸時代の宿場町としては大変珍しい川越制度が見れるのも、島田宿ならでは。ぜひ、島田の観光スポットとして、おとずれてみてはいかがでしょうか。