さかい利昌の杜。千利休の生家とお茶が楽しめる

堺で生まれた千利休とは

日本独自の文化として、海外からも注目される茶の湯。現在の茶道の発祥ともなった「わび茶」は有名な千利休が完成させました。千利休は安土桃山時代の茶人として知られ、織田信長や豊臣秀吉に仕えたことで有名です。

当時「茶」は一大ブームとなり、当時の武将や豪商たちの間で一斉に広まったといいます。特に、武将たちの間で広まった理由の一つとして、茶の湯の場になると、亭主と客人という関係性しかなく、身分制度などに縛られずに会話ができたことなどが大きいともされています。

また、殺伐とした戦国時代において、茶の湯は一時でも心を静め、平穏をもたらしてくれる休息のときだったのかもしれません。そんな戦国時代に大流行した「茶」を一つの道として完成させた人物が千利休です。

晩年は豊臣秀吉の茶の師範だけではなく秘書のような役目も務め、茶室や茶わんの監修などを行うだけではなく、政治向きの仕事を務めたといいます。千利休は様々な要因から最終的に秀吉から切腹を命じられその生涯を閉じますが、利休が確立さた「わび茶」と茶道は、日本を代表する文化として現代まで受け継がれることになるのです。

本日はそんな日本における茶道の発祥ともいえる千利休の生家や、展示などが楽しめる「さかい利昌の杜」をご紹介します。大阪 観光スポット さかい利昌の杜

千利休の生家がある「さかい利昌の杜」へのアクセスと周辺スポット

千利休の生家がある「さかい利昌の杜」は、堺駅から徒歩10分ほど、大阪の中心部でもある難波や道頓堀からは車で25分ほどで行くことができます。

堺市は安土桃山時代には鉄砲鍛冶の産地として栄えたことから、周辺には堺市の産業がわかる堺市伝統産業会館や、鉄砲鍛冶屋敷跡といったスポットが存在します。

また、堺市は古代には数多くの古墳が設けられた場所としてもしられ、有名な仁徳天皇陵古墳や数多くの古墳がある都市としても見所があります。

茶の湯が生まれた安土桃山時代の堺

現代にも続く茶の湯の文化が生まれたのは千利休の師匠であった武野紹鴎からだったともいわれています。武野紹鴎は堺の町衆として、また豪商として商売を行うと同時に、茶の湯を深化させていきました。当時の堺は、安土桃山時代の勃興期で、海外貿易で栄えながら、同時に鉄砲鍛冶などを行う自治都市として知られ、大名が統治するのではなく会合衆といわれる有力商人たちによって統治されていました。

織田信長が堺に代官を置き、直接統治するにおよび、会合衆たちによる自治制度は終わりを告げますが、堺の発展と茶の湯の広まりは、織田家に取り入れられ、それが織田政権を引き継いだ豊臣政権にも受け継がれています。

ちなみに千利休は会合衆でもあった今井宗久や津田宗及とともに三大茶人といわれていましたが、この3名とも茶人として豊臣秀吉に仕え3000石の知行を与えられるほどになりました。いわば当時の堺は茶の湯と、豪商、鉄砲鍛冶に代表されるように、文化と経済と技術の一大中心地であったのです。

そして同時にこの3つを象徴する人物として豊臣政権に存在したのが千利休をはじめとする茶人兼豪商たちだったのです。「さかい利昌の杜」ではそんな堺市の歴史を千利休の成り立ちとともに知ることができます

「さかい利昌の杜」堺市ゆかりの二人の人物、千利休と与謝野晶子の展示

千利休の生家がある「さかい利昌の杜」は、堺市出身の二人の人物である千利休と明治から昭和にかけて活躍した歌人、与謝野晶子の二人の展示が楽しめる博物館です。名前の利昌は、この二人の人物からつけられました。

1階は千利休に関する展示が楽しめる千利休茶の湯館と、実際に茶を喫することができる茶席が設けられ、表千家、裏千家、武者小路千家のお点前により抹茶と和菓子を楽しむことができます。

2階には与謝野晶子に関する展示館が見所です。また、この「さかい利昌の杜」の建物の外に、千利休の屋敷跡があり、かつての雰囲気を感じることができます。また、道路を挟んで少し離れた場所に与謝野晶子の生家跡が見られます。こちらの生家跡は、石碑のみの展示となっています。大阪 観光スポット さかい利昌の杜

千利休茶の湯館

1階の展示で最初に登場するのが千利休茶の湯館です。ここでは千利休の歴史を通じて、当時の時代情勢とその中における堺の役割について、展示がなされています。先にもご紹介した通り、当時の堺は、日本を代表する貿易都市として知られ、町衆たちが統治する大変珍しい都市でした。

そうしたことから、当時世界的な貿易港として地中海の中心都市でもあったベネチアになぞらえ、日本のベニスとも称されたといいます。そんな堺市の当時の価値と、その町で生まれ、豪商として茶人として存在感を現してきた千利休の歴史がわかります。

また、この千利休茶の湯館では、パネル展示だけではなく、千利休が若き日を過ごしたとされる武野紹鴎の茶室や、秀吉が建築した京都の聚楽屋敷の茶室を想定した床の間が再現されています。

茶の湯体験と喫茶

ここ「さかい利昌の杜」では、千利休と茶の湯に関する展示だけではなく、実際に茶の湯体験や喫茶もできます。

茶の湯体験では、千利休屋敷に面して建てられた茶の湯体験施設で本格的な茶の湯体験ができます。この茶室では、西江軒、風露軒、得知軒、無一庵といわれる本格的な茶室が作られており、千利休の系統である表千家・裏千家・武者小路千家の指導のもと、茶道を体験することができるのです。

この体験では、座り方やお茶のいただき方だけではなく、茶のたて方までも体験することができ、普段茶の湯に触れたことがない方でも気軽に体験することができます。

また、1階展示館の横にある茶席では、和菓子と抹茶を味わうことが出来、ぜひ本場の茶道のお茶を味わってみてください。大阪 観光スポット さかい利昌の杜

千利休屋敷跡

この展示館や茶席がある建物の外に、かつての千利休が暮らしたとされる屋敷跡が残されています。千利休は1522年に豪商である魚屋(ととや。屋号)に生まれました。当時の貿易港である堺らしく、家業は倉庫業だった言われています。

若年のときより茶の湯に親しみ、17歳の時に、先にご紹介した師匠である武野紹鴎に師事したといわれています。この屋敷跡では、千利休が暮らしたとされるかつての区画が残されています。大阪 観光スポット さかい利昌の杜 大阪 観光スポット さかい利昌の杜

さかい待庵 千利休の茶室を再現

千利休が手掛けたとされる茶室は、実は日本では京都に残る国宝「待庵」のみとされています。ここ「さかい利昌の杜」では、この国宝とされる「待庵」を再現した建物も見学可能です。

実際に再現するにあたり、専門家などの監修により創建当時の姿に忠実に復元したものとされます。

与謝野晶子記念館(2階)

ここ「さかい利昌の杜」では、もう一つ堺市ゆかりの人物の展示が楽しめます。それが2階の与謝野晶子記念館です。与謝野晶子は、明治時代から昭和にかけて活躍する女流歌人ですが、ここ堺市で生まれ明治、大正、昭和と多くの短歌を生み出しました。

この2階では、そんな与謝野晶子の作品の数々や、生まれ育った駿河屋の店頭を再現した実物大の模型などが見所です。

とりわけ注目に値するのが、与謝野晶子の本の表紙である装幀を紹介したコーナーで、当時の一流画家でもあった藤島武二や、中澤弘光といった人物が手掛けたものとされています。一方生まれ育ったとされる駿河屋は和菓子屋で、実際の店頭では当時の商家の雰囲気がそのまま再現されています。大阪 観光スポット さかい利昌の杜 大阪 観光スポット さかい利昌の杜

与謝野晶子生家跡

「さかい利昌の杜」から500メートルほど離れ、歩いて3分ほどの場所に、かつての与謝野晶子の生家跡が残されています。生家の模型は、「さかい利昌の杜」の2階で見ることができますが、現在の屋敷跡では、石碑のみが残されています。

与謝野晶子はこの駿河屋で生まれ1901年23歳で上京するまでこの地で過ごしたとされています。紹介の石碑では当時の駿河屋の大きさも出ており、現在は路面電車が走る車道の部分まで広がる広大な屋敷であったことがうかがえます。

こちらも「さかい利昌の杜」から歩いて数分なので足を延ばしてみてもいいかもしれません。

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堺市観光案内展示

1階には千利休に関する展示とは別に、堺市全体の観光案内の展示があります。堺市は冒頭でもご紹介した通り、古代から残る仁徳天皇陵古墳をはじめ数多くの古墳が存在する町として知られ、戦国時代には鉄砲鍛冶などで栄えた町としても知られます。

この観光展示案内では、堺市の見所スポットが網羅されているため、観光案内としても利用可能です。

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さかい利昌の杜 利用案内

  • 所在地:〒590-0958 大阪府堺市堺区宿院町西2丁1番1号
  • TEL:072-260-4386
  • 利用時間:9時から18時(受付17時30分まで)
  • 料金:大人300円、高校生200円、中学生以下100円
  • 料金(抹茶和菓子付き):大人500円、高校生400円、中学生以下100円
  • 料金(さかい待庵特別観覧セット申込制):大人1000円、高校生800円、中学生以下500円
  • 料金(茶の湯体験):大人500円、高校生400円、中学生以下100円
  • ※体験時間 10:00~ 11:30~ 13:00~ 14:30~ 16:00~
  • 駐車場:あり(1時間200円。バス1000円 割引あり)

まとめ

千利休は現代にまで続く「茶の湯」を確立した人物として知られますが、その背景には、貿易と鉄砲鍛冶で発展した商人の町、堺の成り立ちが大きく影響していることがうかがえます。

「さかい利昌の杜」はそんな安土桃山時代に全盛期を迎え、日本を代表する文化にまで発展させた茶の湯と千利休に関するものが、展示やリアルな体験を通して感じられる観光スポットです。

また、千利休とは関係ありませんが、明治から昭和にかけて日本を代表する歌人である与謝野晶子の展示も合わせて楽しむことができます。「さかい利昌の杜」は堺市のおすすめ観光スポットです。