尾道の文学観光スポット。文豪の屋敷と瀬戸内海の絶景

文学スポットが多数存在する尾道市

瀬戸内海の海沿いにあり、町全体が坂になっている尾道。その美しい独得の風景から多くの映画やテレビドラマの撮影場所として使用されました。また尾道市には古くから数多くのお寺がのこり、寺巡りの町としても知られています。

愛媛県今治市とを瀬戸内海を挟んで結ぶしまなみ海道のスタート地点としても有名で、いろいろな観光の“顔”を持っているといえるでしょう。そんな尾道市の観光の顔として、もう一つ外すことができないのが文学の町という顔です。

尾道市は古くから数多くの文人たちが訪れる町でもあり、町にはいたるところに文学碑が残されています。例えば江戸時代の文人でいえば、松尾芭蕉や、頼山陽、十返舎一九といったそうそうたる人物たちが尾道を訪れていました。

また近代では正岡子規などの文学碑が有名です。こうした人物たちは、尾道の名所である千光寺や浄土寺といったお寺の参拝などで訪れた際に作品を読んだといわれています。

一方、近代に入っては、この美しい尾道の町に惹かれ住んでいたという文人も多く存在するのです。最も有名な小説家では志賀直哉があげられます。また林芙美子や中村憲吉といった小説家も尾道に滞在していました。こうした文人たちの住んだ場所などが、現在の尾道市には残されているのです。

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「おのみち文学の館」と「文学のこみち」

尾道の文学観光スポットは、大きく分けて二つ2のスポットに分類することが出来ます。それが「おのみち文学の館」と「文学のこみち」です。「おのみち文学の館」は一つのスポットのように聞こえますが、実はこれからご紹介する4つの場所を総称して「おのみち文学の館」と呼んでいるのです。

先にご紹介した志賀直哉や林芙美子、中村憲吉が尾道に居を構えたことから、彼らの残した旧宅などを改修し、博物館、展示館としたのが「おのみち文学の館」です。尾道は古来から港町、商業町、工業町として栄えた経緯があり、また歴史あるお寺と美しい瀬戸内海の景色から文人や墨客がこの場所に住むという傾向がありました。

そんな尾道ならではの成り立ちがわかる博物館が「おのみち文学の館」です。一方「文学のこみち」は、尾道のシンボルともいえる千光寺公園にある遊歩道で、先にご紹介した文人たちの文学碑が見れるスポットです。

千光寺公園は、すぐ下にある千光寺とともに、尾道観光の名所ともいえる場所で、ロープウェイでアクセスも可能、千光寺参拝とセットで「文学のこみち」は訪れておきたい場所です。それではそれぞれのスポットと見所をこれからご紹介しましょう。

 

志賀直哉旧宅:瀬戸内海の絶景が見れる文豪の邸宅

第一にご紹介する尾道の文学スポットは、志賀直哉旧宅です。志賀直哉は明治時代から昭和にかけて活躍した小説家で、日本の文学に大きな影響を与えた人物として有名です。谷崎純一郎とともに文化勲章も受賞し、多くの作品を残しました。

志賀直哉自身は宮城県石巻市生まれ、東京育ちですが、尾道には大正元年1912年から2年間ほど住んでいたといわれています。尾道の滞在中には志賀直哉の代表作ともいえる『暗夜行路』の構想を練ったり、『児を盗む話』のアイデアはこの尾道の住んでいる場所から生まれたともいわれています。

現在残されている旧宅も、当時のままの状態を保っており6畳と3畳の二部屋と土間の台所といった非常に質素な長屋です。この志賀直哉旧宅では、3つの棟で構成されており、手前11軒目と2軒目が展示館、3軒目が志賀直哉の書斎を再現しています。

また見所は建物だけではありません。尾道は坂の町としても有名ですが、志賀直哉旧宅から見降ろせる尾道の町と瀬戸内海の景色はとても美しく見応えがあります。志賀直哉旧宅のすぐ横には「尾道市文学公園」といわれる公園があり、こちらも「おのみち文学の館」の一スポットです。

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 志賀直哉旧宅の利用案内

所在地:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町8-28

電話番号:0848-22-4102

利用料金:【3館共通入場券(文学記念室、志賀直哉旧居、中村憲吉旧居)】一般300円 団体(20名以上)240円 中学生以下無料

駐車場:なし

営業時間:(11月〜3月)9:00〜17:00(入館16:30まで)、(4月〜10月) 9:00〜18:00(入館17:30まで)

定休日:12月〜2月の毎週火曜日、12月28日〜1月3日

アクセス:JR尾道駅より徒歩20分

文学記念室。林芙美子の書斎も再現

志賀直哉旧宅から坂をのぼって登場する次の文学スポットが文学記念室です。文学記念室は、木造平屋、数寄屋造りの邸宅で、尾道ゆかりの作家たちの展示が楽しめる文学館です。

こちらの建物は、もともとこの尾道市の企業の役員であった福井邸を改装したものです。こちらの文学記念室は、志賀直哉旧宅よりも広く、東棟、西棟、茶室という構成です。ここでは林芙美子の東京の書斎が再現されており、文人の雰囲気を堪能できます。

林芙美子は戦前と戦後に数多くの文学作品を残した作家として知られ、生まれは福岡県門司ですが、19歳まで尾道で過ごしました。尾道は上京したのちもたびたび戻ってきており、林芙美子にとっては故郷ともいえる場所なのです。文学記念室ではそんな林芙美子の写真や書斎が見れるのです。

また、それ以外にも高垣眸や横山美智子、行友李風、歌人である中村憲吉や山下陸奥、麻生路郎といった文人たちの愛用品や、直筆原稿が展示されています。ちなみにこの展示館の建物である旧福井家住宅は、国の登録有形文化財にも登録されています。

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文学記念室(旧福井家住宅)の利用案内

所在地:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町13-28

電話番号:0848-22-4102

利用料金:【3館共通入場券(文学記念室、志賀直哉旧居、中村憲吉旧居)】、一般300円 団体(20名以上)240円 中学生以下無料

駐車場:なし

営業時間:(11月〜3月) 9:00〜17:00(入館16:30まで)、(4月〜10月) 9:00〜18:00(入館17:30まで)

定休日:12月〜2月の毎週火曜日、12月28日〜1月3日

アクセス:JR尾道駅より徒歩20分

中村憲吉旧居

「おのみち文学の館」の最後のスポットが中村憲吉旧居です。中村憲吉は広島県三次市出身の歌人で、大学卒業後は大阪毎日新聞の記者でした。その後歌人たちの結社である『アララギ』に参加し、歌人としての活動を行います。

この『アララギ』は日本を代表する歌人である正岡子規の門下生らが始めた運動で、多くの歌人たちが参加しました。

中村憲吉は歌を作る中、肺結核になってしまい、1933年に療養のために尾道の町に移り住んだといいます。この旧居はその中村憲吉が晩年を過ごした場所として知られ離れを見学することが出来ます。

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中村憲吉旧居の利用案内

所在地:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町

電話番号:0848-22-4102

利用料金:【3館共通入場券(文学記念室、志賀直哉旧居、中村憲吉旧居)】、一般300円 団体(20名以上)240円 中学生以下無料

駐車場:なし

営業時間:(11月〜3月)9:00〜17:00(入館16:30まで)、(4月〜10月)9:00〜18:00(入館17:30まで)定休日12月〜2月の毎週火曜日、12月28日〜1月3日

アクセス:JR尾道駅より徒歩25分

文学のこみち。千光寺から千光寺公園まで

尾道の文学スポットとして、もう一つ楽しめる場所が「文学のこみち」です。こちらの「文学のこみち」は、冒頭でご紹介した尾道ゆかりの文人たちの碑が見れる遊歩道ですが、このスポットの最大の見所は千光寺山から見れる尾道水道の絶景と、千光寺そのものです。文人たちの碑が刻まれているのは石に刻まれている場所で目にすることができますが、尾道最大の名所である千光寺詣でとセットで見ることが出来ます。

千光寺は、巨大な岩が境内にある大きなお寺で、806年に創建されたお寺といわれています。本堂から太子堂、客殿と豪壮な建築物が続きますが、最大の見所は巨大な玉の岩と、くさり山で、千光寺ロープウェイからもその巨大さを目の当たりにできます。

「文学のこみち」はこの千光寺境内を通って、千光寺公園までいく途中にあり、一部登山道に近い場所もあり、散策と同時に歴史的な建造物も見ることが出来るのです。

また、この「文学のこみち」はもう一つ見所があります。それが、尾道水道といわれる瀬戸内海の景色です。これまでご紹介してきた志賀直哉旧宅や、千光寺からも雄大な景色は望めますが、千光寺山の頂上に近い「文学のこみち」からはより一層雄大な景色を見ることが出来ます。

ちなみに「文学のこみち」の碑では、正岡子規やその弟子である河東碧梧桐や松尾芭蕉といった歌人から、十返舎一九といった江戸時代の小説家、中には作者不明の民謡まで描かれています。

 

まとめ お寺巡りや千光寺参詣とセットで

これまでご紹介してきた尾道の文学スポットたちは、坂の町と寺の町の中に自然に溶け込んでいます。そのため尾道の観光の楽しみ方である寺巡りや、街歩きの中で自然に訪れることが出来ます。

また、文学スポットだけを回り、千光寺ロープウェイで千光寺に参拝するという方法も楽しめます。また、何よりも尾道の最大の見所は尾道水道といわれる瀬戸内海の絶景で、こうした美しい風景も文学スポット巡りの途中で何度も見ることが出来るでしょう。

尾道観光の一つの切り口として文学スポット巡りはおすすめです。