乃木公園と乃木神社。六本木の憩いの場

乃木希典ゆかりの地、乃木公園と乃木神社

乃木坂駅のすぐ近くにあり、六本木からも歩いて行ける場所になる乃木公園と乃木神社。ここはかつて日露戦争の第三軍司令官として戦い、明治天皇が崩御なされた際には、妻と共に殉死したことで知られる乃木希典の邸宅があった場所です。

乃木希典が殉死した後は、その遺言によって東京都に寄贈され、大正2年に公園として建造されました。乃木公園は桜の木などの樹木が多くある公園として六本木という都会の中に残る、憩いの場です。また、乃木希典の邸宅と馬小屋などが残されており、貴重な歴史観光スポットとしても楽しめます。

乃木希典の邸宅は公開日にしか中に入ることが出来ませんが、明治時代の和洋折衷の建物として貴重な姿を見ることができます。また、乃木公園の隣に設けられている神社が乃木神社で、こちらの神社は、乃木希典将軍と乃木静子夫人を祀る神社で、戦いの神さまとして、昭和時代には多くの軍人が参拝しました。

また、受験生の合格祈願などで訪れる人も多いと言われています。この乃木神社には一緒に乃木希典の師匠であった玉木文之進と、同門の先輩であった吉田松陰を祀る、正松神社も設けられています。六本木の都会の中に残る、明治時代の雰囲気漂う観光スポットをご紹介します。

乃木公園

乃木希典ゆかりの地、乃木公園

乃木希典とは

乃木希典は、日露戦争の時の第三軍の司令官として、有名な旅順要塞を攻略した英雄として知られています。もともと長州藩の出身として、明治維新後は陸軍の軍人として、度重なる士族の反乱の鎮圧につとめました。

乃木希典が有名になったのは、特にその人柄で穏やかで、ロシアの旅順要塞の開城の際には、敵軍の司令官であるステッセル将軍を会見した際の礼節ある態度は、世界各国からも称賛されたと言います。

日露戦争は当時、近代的な戦争として世界中から注目されていたことや、乃木希典が担当した旅順攻略戦は、世界で初ともいえる巨大な近代要塞戦として、いわば日露戦争の代表的な戦いとして注目を集めていました。

特に、ロシアは要塞作りや防御線には世界一強いと言われた強国で、多数の犠牲を払ったとはいえ、その世界一の要塞を攻略した乃木希典は戦後も軍神、英雄として評価されました。乃木神社が勝利の神さまとして人気なのは、こうした点からです。戦後、乃木希典は学習院院長に就任し、昭和天皇の教育や、生徒たちの教育に力を入れました。

乃木希典の教育は武士道に則ったもので、剣道の教育をはじめ、公のために尽くす教育を行ったと言われています。ちなみに、乃木希典自身は、親戚であった玉木文之進に教育を受けました。玉木文之進は吉田松陰で有名な松下村塾を興した人物で、苛烈な教育で知られた人物です。

玉木文之進は吉田松陰の叔父で、吉田松陰も玉木文之進の教育を受けて育ちました。こうした関係から、乃木神社の境内には、正松神社も設けられています。乃木希典を有名にした事件が、明治天皇が崩御された際の殉死です。

殉死とは臣下や 近親者が主君の死をいたみ命を絶つことで、封建社会ではない現代ではあまりなじみがありませんが、武士として若い時代を過ごし、武士道教育に力を入れていた乃木希典の行為は、当時はたたえられたと言います。

乃木公園

乃木希典ゆかりの地

乃木公園

日露戦争の第三軍司令官を務め旅順要塞を攻略した乃木希典ゆかりの地

乃木公園の見所

乃木公園は冒頭でもご紹介したように、乃木希典の邸宅を中心に公園として利用することが出来ます。桜などの樹木が多く、憩いの場として、歴史観光の場所として利用することができます。

乃木邸。明治時代の建築が見れる

乃木公園の最初の見所が乃木邸です。乃木邸は、明治35年、1902年に作られたものと言われています。現在では特別に公開される公開日以外は中に入ることが出来ませんが、木造の和洋折衷の独得の建物が目の当たりにできます。

この乃木邸は、実は乃木希典が自ら設計を行ったとされるもので、自らが留学していたフランス陸軍の連隊本部をモデルにして考案したものと言われています。当時、明治陸軍はアメリカやドイツ、フランスなど各国に軍人を留学させており、乃木希典はフランスに滞在していました。

建物は地下1階、地上2階だての3階建てで、玄関や応接室、婦人部屋などがあるだけではなく、女中たちの住み込み部屋もあります。一般的な明治時代の大官の家にしては、非常に簡素なもので、乃木希典のさっぱりとした人柄があらわされた家といえるでしょう。

また、乃木希典とその夫人が自害した部屋も公開されており、自害当時の様子や、殉死の際に来ていた服の展示などもあり、生々しい感じが残されています。一方、乃木希典が旅順要塞司令官であったステッセル将軍と水師営で会見した際に使ったとされる手術台や、日露戦争当時に乃木希典が着用していた軍服も展示されています。

ちなみに司馬遼太郎の『坂の上の雲』によると乃木希典は軍服など身なりにこだわった非常におしゃれな人で、特別な軍服だった言われています。

乃木公園

乃木希典の邸宅がのこる

レンガ造りの馬屋

乃木公園のもう一つの見所が、旧乃木邸の隣に建てられているレンガ造りの馬屋です。乃木希典は軍人らしく馬を愛した人物として知られ、馬を飼育していました。

ちなみに明治時代までは陸軍の中に騎兵科が存在し、騎兵だけの部隊も存在していました。乃木希典が活躍した日露戦争においても、日本軍の秋山好古が率いる騎兵旅団が、当時世界最強と言われていたロシアのコサック騎兵と戦ったことでも有名です。

そんなことから、当時の軍人は馬に乗っており、この乃木希典の馬屋は、レンガ造りの立派な物として目の当たりにできます。この馬屋は明治22年、1889年に建てられたもので、旧乃木邸よりもはやく立てられました。

しかも、レンガ造りの立派なもので、わざわざレンガをイギリスから取り寄せるほどでした。邸宅よりもレンガの馬屋の方が立派だったため、「新坂の馬屋敷」評されたといいます。こちらの馬屋も一見の価値があります。

乃木公園

乃木公園

乃木希典の馬屋

乃木公園の利用案内

所在地:港区赤坂8-11-32 [MAP]

TEL:03-5413-7015(赤坂地区総合支所 協働推進課土木係)

開園時間:9時~16時

休園日:年末年始

アクセス:千代田線「乃木坂駅」徒歩1分、日比谷線「六本木駅」徒歩8分、大江戸線「六本木」駅徒歩6分

乃木神社の見所

乃木公園の隣にあり、公園とも続いている神社が乃木神社です。乃木神社は乃木希典が殉死した後に作られた神社で、今でも多くの人が参拝する神社です。

また、教育、特に武士道教育と剣道に力を入れた乃木希典を祀る神社として、乃木神社尚武館道場を運営しており、少年剣道教室も行われています。更に、日露戦争で旅順要塞を攻略した軍神として、多くの人がお参りするほか、七五三や結婚式の場所としても利用されています。

乃木神社

乃木神社

宝物殿

乃木神社の境内には宝物殿が設けられています。この宝物殿では、乃木希典にちなむさまざまな遺品が展示されています。乃木希典は漢詩の名人として知られていましたが、その作品もこちらの宝物殿で展示されています。

また軍人として授かった数々の勲章、更に殉死の際に使用した刀もこちらの宝物殿で見ることができるのです。

乃木神社と宝物殿

正松神社

境内にある本殿の隣にある神社が、正松神社です。こちらの神社は乃木希典の師匠であった玉木文之進と、同じく玉木文之進に薫陶を受けた文之進の甥、吉田松陰を祀った神社です。

吉田松陰はいう間でもなく、日本を代表する思想家の一人として、江戸時代末期、幕末の志士を数多く輩出した人物です。吉田松陰の教え子として幕末に活躍した有名人の人物の多くが松下村塾出身です。桂小五郎や高杉晋作、伊藤博文、久坂玄瑞などが知られています。

この吉田松陰の松下村塾を作った人物が玉木文之進で、吉田松陰は幼少期を玉木文之進の元で学びました。また乃木希典も幼少期に玉木文之進の教育を受けるだけではなく、実弟が玉木文之進の養子として、玉木家を継ぐほど、親しい関係だったのです。こうしたことから、乃木神社と一緒に、この二人のゆかりの人物が祭られています。

乃木神社の利用案内

所在地:港区赤坂8-11-27

TEL:03-3478-3001

アクセス:千代田線「乃木坂駅」徒歩1分、日比谷線「六本木駅」徒歩8分、大江戸線「六本木駅」徒歩6分

乃木公園と乃木神社の周辺観光スポット

乃木公園と乃木神社はいわゆる六本木にあることから、その周辺にはさまざまな観光スポットが存在します。ここではそのうちの代表的な存在をご紹介しましょう。

国立新美術館

六本木からも乃木坂からもほど近い場所にある美術館が国立新美術館です。国立新美術館は、日本で5番目の国立美術館で、2007年に開校した新しい美術館です。

また最新の国立美術館というだけではなく、日本で最大の面積を持つ国立美術館で、従来最大といわれていた大塚国際美術館の1.5倍の大きさを誇っています。また、国立美術館の中ではコレクションを持っていない唯一の存在で、アートセンターとして、さまざまな美術展が開催されるのも特長といえるでしょう。

そのコンセプトは「森の中の美術館」として、有名建築家として知られる黒川紀章が設計した美術館です。コンセプトを象徴する図書室に隣接する竹林が特長で、それ以外にも館内の独得の空間や、巨大な逆円錐の空中レストランなど、建物や空間としても楽しめます。それ以外にカフェやミュージアムショップがあるなど、また美術館では珍しく託児サービスもあり静かに美術作品も観賞することができます。

新国立美術館

新国立美術館

国立新美術館の利用案内

所在地:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

FAX:03-3405-2531

休館日:毎週火曜日、年末年始

開館時間:10時~18時

利用料金:展覧会で異なる

まとめ

これまでご紹介してきたように乃木公園と乃木神社は、乃木希典に関するさまざまな展示が目の当たりにできる観光スポットです。その旧邸宅や馬屋などからは乃木希典の人柄だけではなく、日露戦争時代に関するさまざまな展示が楽しめます。また、お隣にある乃木神社でも、宝物館などで乃木希典に関する展示が楽しめます。六本木観光の1スポットとして訪れてみてはいかがでしょうか。