海上自衛隊呉資料館。巨大な潜水艦に入れる博物館

海上自衛隊呉資料館とは

日本の海を守る海上自衛隊。そんな海上自衛隊の歴史や展示がわかる博物館が海上自衛隊呉資料館です。広島県呉市は、実は昔から海軍と海上自衛隊とかかわりが深い町なのです。

いわば呉市の観光の特長の一つが海軍と海上自衛隊です。そしてその代表的な存在が海上自衛隊呉資料館です。その特長は、巨大な本物の潜水艦が建物の外に展示してあり、迫力満点です。この潜水艦は、実際に中に入ることが可能で、本物の潜水艦に入れる場所は日本でここだけといっても過言ではないでしょう。

また、潜水艦以外にも、展示館では、1階から3階までさまざまな展示がなされており、海上自衛隊の歴史や、海上自衛隊の任務の一つとして知られる機雷除去、潜水艦の仕組みなど、幅広い海上自衛隊の仕事を知ることができるのです。

しかもこれほど貴重な体験やボリュームが詰まった博物館ながらも、なんと入場料は無料です。というのもこの資料館の事業主体は海上自衛隊が行っているからです。

本日は日本で唯一の本物の潜水艦に入ることができる、海上自衛隊呉資料館をご紹介します。

海上自衛隊呉資料館

海上自衛隊呉資料館の見所

まず初めに海上自衛隊呉資料館の見所についてご紹介します。既に冒頭でご紹介したように、海上自衛隊呉資料館は日本で唯一の本物の潜水艦に入ることができる資料館です。

建物の外に登場する巨大な潜水艦は、みるものを圧倒させる迫力と共に、内部の以外な狭さは入ってみないとわかりません。また、見所は潜水艦だけではありません。

リアルな展示による館内は、日常では見ることが出来ないものばかりです。ここでは順を追ってその見所をご紹介しましょう。

潜水艦あきしを体験。本物の潜水艦に入れる貴重な時間

海上自衛隊呉資料館の最大の見所は、本物の潜水艦である「あきしお」の中に入ることができる潜水艦体験です。潜水艦あきしおは、今から遡ること約30年前、1985年に進水し、2004年に除籍されるまで、海上自衛隊の潜水艦として活躍していた潜水艦です。

海上自衛隊呉資料館

間近で見ると超巨大です。

その全長は76メートル、重さ約2200トン、呉資料館に到着するとまず初めに目の前に登場するのがこの巨大な潜水艦「あきしお」なのです。「あきしお」は、2006年に国内最大級のクレーン船で持ち上げられ現在の呉資料館に展示されました。

海上自衛隊呉資料館

クレーンで釣り上げて展示したとか

以来、潜水艦の中身に入ることができる貴重な体験スポットなのです。この「あきしお」は、展示館の3階からはいることができるため、見学の一番最後に登場することになります。

海上自衛隊呉資料館

本物の潜水艦、あきしをの入り口です。

展示館の3階でも潜水艦の内部の船室などが実物大で展示されていますが、「あきしお」では、そんな自衛隊員の方々が眠る寝室や、任務を行う場所、艦長室なども展示されています。

海上自衛隊呉資料館

潜水艦の中は驚くほど狭く、通路や隊員の寝室などもかなり狭い空間が登場します。また艦長室や、厨房などもとても狭いです。潜水艦では長期間この狭い空間で任務に就いていると思うと、海上自衛隊の隊員がいかに過酷な場所で日本の防衛を担っているのかということが実感できます。

海上自衛隊呉資料館

この「あきしお」の内部では、船室などの展示以外に、実際に任務を行う発令所などにも入ることができます。ここでは潜水艦から海上を見ることができる潜望鏡や、さまざまなスイッチや機械がある操舵装置、レーダーなど、日常では見ることが出来ない潜水艦の中枢部が登場します。

海上自衛隊呉資料館

例えば潜望鏡は除くと実際の呉資料館の外の様子などが見ることができます。まさに非日常が体験できるスポットです。

海上自衛隊呉資料館

1階。海上自衛隊の歴史がわかる

資料館は1階から3階までで構成されています。一番初めに登場する1階の展示では、海上自衛隊の歴史がわかります。海上自衛隊と呉の関わりは古く、明治時代にさかのぼります。

もともと明治海軍の呉鎮守府が設けられた時からで、1階の展示室では、この呉鎮守府が置かれた時代から、現代にいたるまで日本を取り巻く海の環境と、海上自衛隊の活躍について知ることができます。

2階。機雷除去と掃海艇の活躍

2階では、海上自衛隊の任務の一つである機雷除去と掃海艇についての展示が楽しめます。機雷とは、水中や水上に設置されてある兵器のことで、これに船が接触すると大爆発を起こし、一瞬にして沈めてしまう兵器です。戦争中などでは自国の防衛拠点や領海などに設置します。

例えば日露戦争などでも旅順港の周りに機雷が設置され、日本の戦艦が触れて沈没するということなどもありました。また、軍艦だけではなく一般の船などが万が一接触してしまった場合には大惨事となってしまうため、海の航海の安全と防衛上の観点から、機雷の除去を行うのは、海上自衛隊の重要な任務の一つなのです。

この2階の展示では、さまざまな機雷の種類が展示されており、同時に機雷除去の仕事である掃海の仕事についても展示と共に目の当たりにできます。このように常に海上自衛隊の任務は危険と隣り合わせなのです。

海上自衛隊呉資料館

3階。潜水艦の活躍

3階の展示は海上自衛隊の潜水艦の活躍についての展示が登場します。潜水艦は古い時代では、戦国時代に九鬼水軍が使用したとの記録もありますが、近代的な潜水艦は、19世紀に入ってから登場しました。

潜水艦はいわば「究極のステルス兵器」といわれるように、海中に深く潜って見つからずに敵を攻撃できることから各国で開発がすすめられました。

海上自衛隊呉資料館

日本の海上自衛隊の潜水艦もアメリカから貸与された1隻の潜水艦からその歴史が始まったとのことで、3階では、潜水艦の歴史や機能、構造、任務、種類などについて展示が行われています。

また、ここでは先にご紹介した「あきしお」の見学ガイダンスなどもあり、潜水艦を丸ごと体験できるエリアとなっています。

海上自衛隊呉資料館

海上自衛隊呉資料館の利用案内

所在地:〒737-0029  広島県呉市宝町5番32号

TEL:0823-21-6111

FAX:0823-32-1601

開館時間:午前9時~午後5時まで(展示室入館は、午後4時30分まで)

定休日:火曜日

入場:無料

呉の海軍スポットと呉の歴史

海上自衛隊呉資料館では、海上自衛隊の仕事だけではなく、その歴史についても知ることができます。また、呉とのかかわりについても、その始まりは明治海軍の時代から続く歴史を誇っているのです。

ここでは呉の海軍スポットをご紹介する前に、日本の海上自衛隊や海軍と、呉との歴史についてご紹介します。ちなみに呉はあの有名な戦艦大和も建設された場所として、日本の海軍史には欠かすことが出来ない場所なのです。日本は明治維新により一躍近代国家への道へと歩み始めますが、その道のりは、新興国家らしく、急ピッチで進められるものでした。

もともと農業以外に工業や産業などもあまりなかったため、近代的な技術などの大半は海外から導入されたのです。日本の海軍もイギリスを中心に世界各国から軍艦などが導入されました。とりわけ、明治時代は世界の列強諸国が海軍の拡大に勤め、ロシアからの圧迫を跳ね返すために日本も海軍を大急ぎで準備した歴史があります。

その過程において、1886年に初めて呉に軍港が置かれ、その司令部である鎮守府が設置されました。以来、100年以上にわたって日本の海軍の根拠地として機能しているのです。

ちなみに現代でも、呉にはかつての鎮守府があった場所に、海上自衛隊の呉地方総監部が置かれており重要な基地の一つなのです。この呉鎮守府には、後ほどご紹介しますが、日露戦争の連合艦隊司令長官であった東郷平八郎も参謀長として赴任していた時期もあり、明治海軍を代表する基地でもあったのです。

とりわけ、日露戦争前に、世界トップレベルの軍備を備えた日本海軍は、技術でも隊員たちの練度でも当時世界一といわれたイギリス海軍にも匹敵すると言われるほどの高レベルでした。そんな歴史を感じさせてくれるのが呉なのです。

大和ミュージアム

海上自衛隊呉資料館の目の前にある観光スポットが大和ミュージアムです。呉は戦艦大和が建造された場所としても知られ、ここで日本を代表する数々の軍艦が作られました。

こちらの大和ミュージアムはそんな戦艦大和を中心とした日本の軍艦の展示が楽しめる博物館です。ちなみにこちらは正式名称が呉市海事歴史科学館呉市が事業主体として行っており有料で楽しめます。

大和ミュージアムの見所は、全長26.3メートルの10分の1戦艦大和を中心に多数の軍艦が展示されています。例えば、人間魚雷として太平洋戦争に知られた特攻兵器の回天や、巨大な魚雷など、普段では見ることが出来ない海の兵器の数々が展示されています。

また、大和ミュージアムの外は公園になっており、海の景色を楽しむことができます。

大和ミュージアム

大和ミュージアムの利用案内

所在地:〒737-0029広島県呉市宝町5番20号

TEL : 0823-25-3017

FAX : 0823-23-7400

利用料金:一般500円、高校生300円、小中学生200円

利用時間:展示室・ミュージアムショップ9時〜18時(展示室入館は17時30分まで)、ライブラリー9時〜17時

定休日:火曜日

入船山記念館

呉の海軍観光スポットとしてもう一つ有名な場所が、入船山記念館です。この入船山記念館は、かつての呉にあった呉鎮守府の司令長官の官舎がある場所です

明治時代に呉に鎮守府が置かれると、日露戦争で有名な東郷平八郎が呉鎮守府参謀長として赴任していた時期もあり、東郷平八郎の離れなどもあります。

また、この入船山記念館の最大の見所が、旧呉鎮守府司令長官官舎です。この官舎は明治時代に作られた貴重な建物で、木造平屋建、建築面積527.1㎡にも及ぶ大きな建物です。

司令長官の自宅とセットになっていた和洋折衷の建築物であり、明治時代の名残が感じられる貴重な建物です。こちらは海軍に関する観光スポットとして楽しめますが、美しく整備された憩いの場所としても観光が楽しめます。

入船山記念館

入船山記念館の利用案内

所在地:〒737-0028 呉市幸町4-6

TEL:0823-21-1037

観覧料:一般250円、高校生150円、小中学生100円

定休日:火曜日

開館時間:9時―17時

まとめ

海上自衛隊呉資料館は海上自衛隊の活動をはじめ、本物の潜水艦を楽しめる無料の博物館です。またその周辺には海軍ゆかりの町として、大和ミュージアムや入船山記念館など、日本の海軍の歴史がわかる観光スポットが多数登場します。ぜひ普段では見ることが出来ない海軍の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。