南宋寺。堺の茶の湯と三好氏ゆかりのお寺

南宋寺。禅の雰囲気と茶の湯ゆかりのお寺

大阪の堺は大阪市のすぐ南にある都市で、戦国時代や安土桃山時代には町衆の自治制によって収められる町でした。貿易によって町が潤う傍ら、現代の日本の文化の代表ともいえる茶の湯などの発祥の地として知られます。

茶の湯を代表する人物として有名な千利休や、千利休の師匠であった武野紹鴎なども、ここ堺市の商人として、また禅僧として茶の湯の文化を浸透させていったのです。もともと喫茶の文化は、鎌倉時代に栄西が、宗から日本に持ち込んだものですが、本場中国の禅宗で習慣とされていたもので、日本においても、まずは禅宗、すなわち臨済宗から広まりました。

千利休も、その師匠である武野紹鴎も商人、豪商として当時の堺で活躍していましたが、同時に茶の湯とかかわりが深い、禅宗の修行も行っていました。その禅宗の修行を行っていた場所が、本日ご紹介する南宋寺です。

南宋寺は、もともと四国と近畿地方に勢力を拡大していた三好氏の菩提寺として建てられたお寺でしたが、同時に茶の湯や禅宗の修行の場としても知られ、堺の町の雰囲気や茶の湯のにおいを濃厚に残しています。

本日は、堺の町と茶の湯の雰囲気が味わえる南宋寺をご紹介します。

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 南宋寺へのアクセスと周辺の観光スポット

南宋寺へ最もスムーズなアクセスは、阪堺電車の駅、御陵前から徒歩3分ほどの場所にあります。阪堺電車は大阪市内から堺市まで運行している路面電車です。堺市の観光の移動には、この阪堺電車を利用するのもおすすめです。

ちなみに、南宋寺で修行した千利休の生家がある利晶の杜からは阪堺電車と徒歩で12分で南宋寺まで行くことが可能です。

また車で堺市を観光する場合には、有名な仁徳天皇陵古墳から車で10分ほどで行くことができます。ぜひ、周辺の堺市の観光スポットとセットで訪れることをお勧めします。

南宋寺の利用案内

所在地:堺市堺区南旅篭町東3-1-2

TEL:072-232-1654

拝観時間:9時~16時

拝観料:大人400円・中人300円・小人200円

駐車場:有り(30台)

 

 

南宋寺の見所とは

茶の湯の修行の場として、千利休や武野紹鴎ゆかりの南宋寺ですが、そこには様々な見所が存在します。

 

仏殿や唐門、山門。禅宗様式で国の重要文化財

境内はかなりの広さを誇りますが、禅宗のお寺ならではの凛とした雰囲気が漂っており、静寂の中、茶の湯でお馴染みの「わびさび」の雰囲気を味わえます。

現在の南宋寺は、創建当初のものではなく大阪夏の陣で焼失したものを沢庵宗彭によって再建されたものですが、建物などが国の重要文化財に登録されています。

仏殿は1653年に建立されたもので、ほぼ同時期に建てられた唐門とともに国の重要文化財です。また山門は1647年に建立されたものでこちらも禅宗様式の建築物として見応えがあります。

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古田織部の枯山水の庭園。国の名勝

南宋寺は重要文化財に登録されている建物だけではなく、国の名勝にも登録されている枯山水の庭園があります。この枯山水の庭園は有名な古田織部の作と伝えられています。

古田織部はもともと織田家につかえる武将でしたが、茶の湯の方でも聞こえた名を持ち、千利休の弟子である利休七哲の一人にも数えられるほどの人物です。

南宋寺の枯山水の庭園も、こうした利休の弟子である古田織部が作ったものとして見応えがあります。

 

徳川家康の墓標と討ち死に伝説

南宋寺にはもう一つ、徳川家康の墓標とされるものが存在します。徳川家康のお墓として有名なのは日光東照宮や久能残東照宮が定番ですが、ここ南宋寺には、徳川家康が討ち死にし、落命したという伝説が残されており、そのお墓とされるものも残されています。

この家康落命伝説は、大阪夏の陣で豊臣家は滅びましたが、茶臼山の戦いで籠で逃げる途中後藤又兵衛に槍で突かれ、堺まで落ち延びた後に落命したという伝説です。しかし、後藤又兵衛は大阪夏の陣では、河内方面の道明寺の戦いで討ち死にしていることから、この説は伝説とされています。

しかし、1623年には家康の子である徳川秀忠と、孫である三代将軍徳川家光がこの南宋寺を相次いで訪れていることから、何事かを感じさてくれます。こうした伝説も南宋寺の見所の一つといえるでしょう。

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南宋寺の歴史。近畿を代表する三好氏当主の壮絶な最後

南宋寺はこれまでご紹介してきたように、禅宗として多くの茶人に親しまれてきました。千利休や武野紹鴎、古田織部など多数の茶人の場所として有名ですが、もともとは三好氏の菩提寺として建立されたものになります。三好氏は、戦国時代には四国から近畿地方まで勢力を伸ばした大名で、三好長慶が有名です。

織田信長が天下統一に向けて上京するまでは、最大11カ国にまで勢力を拡大した大大名です。この南宋寺は、大勢力を築く三好長慶の父、三好元長を弔うために建てられたお寺なのです。三好元長は三好氏興隆を目指して四国から畿内に勢力を拡大しますが、当時日本全国に浸透しつつある一向宗の一揆に責められ、総勢10万の大軍に囲まれる中自害します。

そのさい、三好元長は切腹するだけではなく自らの臓物を腹から取り出し天井に投げつけるといった壮絶な最後を遂げました。南宋寺はそんな志半ばで倒れた父を弔うために建てられたお寺なのです。

ちなみに現在の南宋寺は、創建当初のものではなく、大阪夏の陣で焼失したものを、沢庵和尚が再建したものになります。

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 南宋寺と合わせて見たい周辺の観光スポット

南宋寺の周辺には堺市が誇る様々な観光スポットが登場します。堺市の特長は、茶の湯発祥の地として千利休などの茶人たちが住んだ場所として、また戦国時代に代表されるように鉄砲生産などの鍛冶が盛んな地域として知られます。

更には、この地域には古代から残されている多数の古墳が存在しており、世界最大のお墓とされる仁徳天皇陵古墳もすぐ近くにあります。ここでは南宋寺の周辺に存在する堺市の見所スポットをご紹介しましょう。

 

仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)、世界最大級の古墳

南宋寺から車でわずか10分ほどの場所にあるのが仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)です。仁徳天皇陵古墳は、世界で有名なクフ王のピラミッドや、秦の始皇帝陵よりも大きいとされる世界最大級の古墳とされています。

その規模は非常に大きく、長さ840メートル、幅654メートルにもおよび、圧倒的な面積を誇ります。この古墳は中に入ることはできませんが、拝所から眺めるその姿は雄大で、圧倒的な迫力を感じさせてくれることでしょう。

因みに歴史は非常に古く5世紀前半に建設されたものとされ、甲冑や刀剣などが出土されています。堺市にはこの仁徳天皇陵古墳以外にも多数の古墳が存在しており、その周辺には大小さまざまな古墳が存在し、そのほとんどが前方後円墳という形です。

前方後円墳とは言葉の通り前が四角で後ろが円の形状をした古墳で、3世紀から日本に多数見られる古墳ですが、残念ながらのこの形状は上空から見ないとわかりません。しかし、仁徳天皇陵古墳はその最大のものとして、拝所からでもその迫力が感じられます。

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さかい利晶の杜。千利休屋敷跡も残る

南宋寺からわずか12分の場所にあるのがさかい利晶の杜です。さかい利晶の杜は千利休と与謝野晶子、堺市出身のこの二人の人物にフォーカスした観光展示館です。1階が千利休の展示があり、2階が与謝野晶子に関する展示があります。

また観光情報や実際にお茶を飲めるスペースもあり、旅の骨休めや情報収集には最適のスポットといえるでしょう。また千利休の屋敷跡があり、日本のお茶の文化の発祥を感じることができます。

こちらは利休や武野紹鴎が修行した南宋寺ともかかわりが深い場所で、利休はこの屋敷跡から歩いて南宋寺まで向かっていたと考えられます。

こちらでは、また利休の国宝の茶室とされる待庵の創建当初の姿を再現した茶室が設けられており、こちらで観覧やお茶体験も可能です。

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さかい利晶の杜の利用案内

〒590-0958 大阪府堺市堺区宿院町西2丁1-1

TEL:072-260-4386 

FAX:072-260-4725

観覧時間 9:00~18:00(最終入館は、17:30)

料金:大人300円、高校生200円、中学生以下100円

さかい待庵特別観覧セット(申込制):大人1000円、高校生800円、中学生以下500円

茶の湯体験:大人500円、高校生400円、中学生以下300円

堺伝統産業会館。刃物から和菓子まで堺の伝統産業が集結

堺市の観光やお土産でぜひ訪れておきたいスポットが堺伝統産業会館です。堺市には刃物から和菓子まで数々の伝統産業が存在しており、こうした伝統産業が一同にかいするのが堺伝統産業会館なのです。

堺市の伝統産業として最も代表的なものが刃物。堺はもともと古来から鍛冶が盛んな地域として知られていました。戦国時代には鉄砲鍛冶が有名ですが、堺が鍛冶が盛んなのは、実は先にご紹介した古墳と深いかかわりがあるのです。

古代において古墳を作るためにはさまざまな道具が必要でしたが、工具や道具を作るために多くの製造技術に熟達した人々が集まってきた背景があります。いわば堺の鍛冶技術は古代から続く伝統産業であり、その伝統が現代まで続いているのです。

その鍛冶の代表とされるものが刃物製造であり、なんと堺の刃物はプロの料理人の9割近くが所持しているとの話もあります。堺伝統産業会館では2階が刃物の「堺刃物ミュージアム」があり、刃物を購入することも可能です。

また、堺の伝統工芸は他にも線香、注染和晒、緞通、昆布、自転車、和菓子と多彩であり、こうしたさまざまな伝統工芸品も見ることができます。ぜひお土産の購入もできますので立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

南宋寺は三好氏の菩提寺としてだけではなく、茶の湯の発祥でもある千利休や武野紹鴎ゆかりの場所として、また重要文化財や景勝のスポットとしても見応えがある観光スポットです。

ぜひ、美しい境内と茶の湯の雰囲気が感じられるお寺としておすすめです。また周辺には巨大な仁徳天皇陵古墳や堺伝統産業会館、さかい利晶の杜といった観光スポットも存在しますので、セットで回られてみてはいかがでしょうか。

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