松山の美術館たち。歴史と文化が盛りだくさん

町全体がミュージアム。歴史と文化の町松山

道後温泉や松山城など、歴史的にも多くの文化財を残す松山市。愛媛県の県庁所在地として、また四国最大の都市圏として多くの人が訪れる場所です。この松山市の特長は一言でいえば、歴史と文学の街ということができるでしょう。

歴史としては、冒頭でご紹介した松山城や道後温泉といった貴重な資源が存在します。また、松山は日本を代表する二人の文人、夏目漱石、正岡子規と深い関わりがある町として文学の町と言えるでしょう。

夏目漱石の小説である坊ちゃんは、自らが愛媛県尋常中学校に赴任してきた体験を元に制作されました。また正岡子規は松山出身の人物として、日本の近代文学の一角でもある俳句を確立させることに生涯を捧げました。

一方、明治時代の文人ではありませんが、日本の歴史において独自の史観を打ち立てた小説家司馬遼太郎も松山と関わりが深い人物でしょう。

司馬遼太郎の坂の上の雲は、松山出身の三人の人物、上記の正岡子規と日露戦争を戦った秋山兄弟を中心に、日露戦争へと突入する明治政府を描いた長編です。松山ではそんな坂の上の雲に因むミュージアムも作られ、貴重な松山観光の一スポットと言える存在です。

そして、この坂の上の雲ミュージアムは、松山市の観光案内の役割も兼ね備えており、同時に、松山の町全体をミュージアムとして楽しむというコンセプトが存在する美術館なのです。

そして様々な観光スポット以外に、この文化をより一層感じさせてくれるのが、松山市に存在する様々な個性的な美術館なのです。本日は松山の美術館という切り口で、様々な個性溢れる美術館たちをご紹介しましょう。

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愛媛県美術館:丹下健三設計の総合美術館

松山の美術館として最もスタンダードな存在が愛媛県美術館です。城山公園の中でもかつての松山城三之丸の区画に作られたこの美術館は、昭和を代表する建築家、丹下健三の設計です。

この松山城三之丸の区間には愛媛県美術館のほかに愛媛県歴史文化博物館、愛媛県総合科学博物館、愛媛県立博物館、愛媛県立図書館などが集中する場所であり、松山の文化が集約された区画でもあります。

この愛媛県立博物館は1階が企画展示室やハイビジョンギャラリーなどがあり、2階に常設展示室、特別展示室などが存在します。おもに絵画が中心に展示されており、西洋美術から日本画など数々の有名作品が展示されています。

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愛媛県美術館の利用案内

  • 所在地:〒790-0007 愛媛県松山市堀之内
  • TEL:089-932-0010
  • FAX:089-932-0511
  • 開館時間:9:40 ~18:00入室は17:30まで)
  • 休館日:毎週月曜日(祝日及び振替休日に当たる場合は、その翌日)。ただし毎月第一月曜日は開館、翌火曜日が休館

坂の上の雲ミュージアム:安藤忠雄設計の司馬遼太郎ゆかりの美術館

松山を代表する美術館のひとつが坂の上の雲ミュージアムです。坂の上の雲ミュージアムは冒頭でもご紹介したとおり、司馬遼太郎の小説、坂の上の雲を軸にした展示を行うミュージアムです。

この坂の上の雲ミュージアムは、日本を代表する建築家である安藤忠雄氏が設計した美術館として知られ、建物そのものの存在も貴重です。その構造は地下1階から地上4階の建物ですが、二つの三角形を重ね合わせた独特の構造で、回りながら登っていく展示方法を取られています。

坂の上の雲は、松山出身の三人の人物、正岡子規と秋山真之、秋山好古が主人公の長編小説ですが、坂の上の雲ミュージアムではこの三人の写真展示を中心に、近代化を進む当時の日本の様子や、松山市全体の地域資源にフォーカスした展示が行われており、松山全体の観光案内にも最適な存在です。

そのため、坂の上の雲ミュージアムは、松山市全体を「屋根のない博物館」と位置づけることで、リアルな松山市の街歩きとセットにすることでより一層奥深い旅になります。ちなみにこの坂の上の雲ミュージアムはすぐお隣にある、国の重要文化財 萬翠荘とセットで見ることをおすすめします。愛媛 美術館 坂の上の雲ミュージアム愛媛 美術館 坂の上の雲ミュージアム 愛媛 美術館 坂の上の雲ミュージアム 愛媛 美術館 坂の上の雲ミュージアム 

坂の上の雲ミュージアムの利用案内

  • 所在地:〒790-0001愛媛県松山市一番町三丁目20番地
  • TEL:089-915-2600
  • FAX:089-915-3600
  • 観覧料:一般 400円、高齢者 200円、高校生 200円、中学生以下 無料
  • 開館時間:午前9時から午後6時30分まで(入館午後6時まで)
  • 休館日:毎週月曜日(休日の場合は開館)

セキ美術館:温泉街の散策を楽しむ

松山の観光名所として、松山城周辺とともに欠かすことができない存在が道後温泉です。道後温泉は日本三古湯のひとつとして知られ、日本で最も古い温泉のうちのひとつです。その歴史は古くなんと3000年もの歴史を持つと言われています。道後温泉では道後温泉本館が最も中心的な存在ですが、道後観光の醍醐味は、周辺の温泉街と、その周りに存在する数々の観光スポットを見ることでより一層深みが増します。

これからご紹介するセキ美術館もそのうちのひとつです。温泉街の商店街である道後ハイカラ通から少し外れた場所にあり、閑静な住宅街の中にある美術館では、有名なロダンの彫刻や数々の版画作品を見ることができます。

美術館の構造は地下から地上3階まで有り、日本画、洋画を多数展示してある他、ロダンの部屋での彫刻が見れます。

こちらのセキ美術館では、アクセスする途中に通る「にきたつの道」も楽しめます。「にきたつの道」では道後の地酒なども楽しめます。

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セキ美術館の利用案内

  • 所在地:〒790-0848 愛媛県松山市道後喜多町4-42
  • TEL 089-946-5678
  • FAX 089-946-5688
  • 開館日:水曜日~日曜日及び祝日 午前10時~午後5時
  • 休館日:月・火曜日 但し祝日の日は開館
  • 入館料:一般/700円(大学生を含む)  小・中・高校生500円

ぎやまんガラス美術館:美しいガラス作品の数々を展示

道後温泉周辺には温泉街の散策を楽しむもう一つの美術館が存在します。それがぎやまんガラス美術館です。道後温泉本館から徒歩3分ほどの場所にあるこの美術館は、山の手迎賓館の地下にある美術館で、カフェレストランとセットで楽しむことをおすすめします。

こちらのカフェレストランは水と緑が溢れる美しいレストランで、温泉街の優雅な時間を過ごすのに最適な場所と言えるでしょう。レストランで食事やお茶を楽しみながら、同時に地下の美術館で数々のガラス作品を鑑賞する。こうした楽しみ方が出来る場所です。

こちらのぎやまんガラス美術館では明治、大正のガラス作品を多数展示しており、その展示数はなんと300点。西日本最大の展示数を誇ります。

ちなみに、道後温泉とガラスの歴史は明治27年の道後温泉本館の時に遡ります。かつての道後温泉本館では各浴室に色とりどりのガラスがはめ込まれており、その名残は今でも道後温泉本館の一番上にある振鷺閣の赤いぎやまんで見ることができます。

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ぎやまんガラス館の利用案内

  • 所在地:〒790-0836 愛媛県松山市道後鷺谷町459-1
  • TEL:089-933-3121
  • FAX:089-933-3125
  • 開館時間:9:00〜22:00 入館受付は21:30まで
  • 入館料:通常600円、高齢者(65歳以上) 障害者 / 介護者 団体500円、中学生400円

伊丹十三記念館:伊丹十三の作品が多数見れる

松山の観光スポットは松山城周辺や道後温泉周辺だけではありません。中心市街地から一歩外に出ればそこには様々な観光スポットが存在するのです。これからご紹介する伊丹十三記念館もそのうちのひとつです。

伊丹十三は松山出身の俳優や映画監督として知られる人物。俳優や映画監督としての存在が有名ですが、実はもともとは商業デザイナーやコピーライターなどが本業であった人物。表現とクリエイティブという観点からは、商業デザイナーもコピーライターも、俳優、映画監督も共通する仕事ですが、伊丹十三はマルチな才能を発揮しました。

伊丹十三記念館ではそんな伊丹十三の若き日の作品なども展示されており、今で言う電車の車内広告や、小説の表紙なども目の当たりにできます。

こちらの伊丹十三記念館は松山の中心市街地、大街道周辺からは車で15分ほどで行くことができます。

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伊丹十三記念館の利用案内

  • 所在地 〒790-0932愛媛県松山市東石井1丁目6番10号
  • TEL.089-969-1313
  • FAX.089-969-1314
  • 開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
  • 休館日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)
  • ※年末年始及び保守点検日は休館
  • 入場料 大人=800円 高・大学生=500円 中学生以下=無料

松山市野球歴史資料館 の・ボールミュージアム

松山出身の人物として有名な正岡子規。正岡子規といえばホトトギスに代表されるように俳句として有名ですが、実はもう一つ正岡子規が打ち立てた関わりの深い分野があるのです。それが野球です。野球は明治時代に日本に伝わり、中馬庚が作った和製漢語ですが、野球で使用される用語の多くは正岡子規が作ったとも言われています。

「打者」「走者」「四球」「直球」「飛球」など現在でも使用されている多くの野球の用語を作りました。そんな野球とか変わりの深い正岡子規ですが、その資料などを展示した美術館が、松山市野球歴史資料館 の・ボールミュージアムです。

こちらの資料館は、坊ちゃんスタジアムと言われる球場に存在し、松山の野球の歴史と正岡子規との関わりなどが展示されています。

松山市野球歴史資料館 の・ボールミュージアムの利用案内

  • 所在地:松山市市坪西町525-1(坊っちゃんスタジアム内)
  • TEL:089-968-6660(松山市体育協会)
  • 営業時間:9:00~17:00(入館16:30まで)
  • 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始(12/29~1/3)
  • 駐車場:あり/無料600台
  • 料金:入館無料

まとめ

これまでご紹介してきたように、松山市の美術館は様々な個性的な美術館が多数存在します。とりわけ特長的なのが、松山の歴史や文化、人物に非常に関わりが深いということがあげられます。こうした美術館の数々はその周辺の観光スポットとセットで訪れることでより旅が充実したものになるでしょう。

松山城周辺の観光では、愛媛県美術館や坂の上の雲ミュージアム、道後温泉の温泉街では、セキ美術館やぎやまんガラス美術館、郊外の車でまわる観光では、伊丹十三記念館や松山市野球歴史資料館 の・ボールミュージアムなど、その観光の楽しみ方やまわり方に合わせて楽しめます。