牧之原台地。日本最大の日本茶の産地を楽しむ方法

牧之原台地とは。日本最大のお茶の産地の発祥

 

海外からもグリーンティーとして人気の日本茶。その発祥は、奈良時代とも平安時代ともいわれていますが、本格的に日本茶が日本に広まったのは、鎌倉時代、臨済宗の開祖ともいわれる栄西が日本に持ち込んだのが始まりといわれています。

栄西は、中国、当時の宋に二度にわたり留学しそこからお茶と喫茶の文化を持ち帰りました。栄西は福岡の博多に宋から帰国後、聖福寺を起こし、日本初の禅寺として臨在禅を広めるとともに、喫茶の習慣をも広めていったといいます。

ちなみに聖福寺では、日本茶の発祥であるお茶の木が植えられていて、史跡とともに見ることができます。この栄西が広めた日本茶と喫茶の風習は、瞬く間に日本全国に広がり、現在では北は北海道から南は鹿児島に至るまで、日本全国に日本茶のブランドが育つまでになっているのです。

今では日本人の生活の中に当たり前のように溶け込んでいる日本茶ですが、産地として最も有名であり、多くの日本人に認識されているのが静岡県です。静岡県はお茶の全市場のうちの40パーセントを占め、国内有数の大規模な茶畑が整っているのです。そんな静岡の茶畑のうちでも最大クラスの規模を誇るのが本日ご紹介する牧之原台地です。

牧之原台地は、広大な台地に一面に広がる茶畑だけではなく、新鮮な静岡茶を楽しめる観光スポットまでそろっている一大観光スポットなのです。本日は、日本茶を楽しむなら絶対に欠かすことができない静岡の観光スポット、牧之原台地をご紹介します。 静岡 観光スポット 牧之原台地

牧之原台地の意外な歴史:最大だけど最も新しい茶畑

ここで牧之原台地をご紹介する前に、牧之原台地の成り立ちについて簡単にご紹介しましょう。日本茶と喫茶の歴史は冒頭でご紹介した通り、鎌倉時代に本格的に広まりましたが、日本最大級、静岡最大といわれる牧之原台地の茶畑としての歴史は意外に新しいのです。

その歴史が始まったのはなんと近代に入ってからでそれも明治時代に入ってからでした。それまでこの地は作物が育たない不毛の台地とされ、地元の農民たちも見向きもしない土地だといわれていたのです。

そんな不毛の地がなぜ日本最大の茶畑になりえたかというと、そこには、明治維新後の辛苦を乗り越えた武士たちの生きざまがあったのです。

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 最後の将軍、徳川慶喜の親衛隊が切り開いた不毛の地

もともと静岡県は、ご存知の通り徳川家のおひざ元として、長年繁栄を遂げてきました。しかし明治維新によって徳川家が静岡70万石の一大名に落とされ、更には版籍奉還によって藩、大名自体が消滅してしまうと、徳川家の多くの武士たちは職を失ってしまいます。

当時、明治維新を成し遂げた薩摩、長州、土佐、肥前など、討幕よりの藩士たちは職を失っても新政府に仕えることが出来ましたが、徳川方、それも徳川家そのもの武士たちは新政府に仕えることもなかなか難しかったのかもしれません。

そんな折に、不毛の台地であった牧之原台地を開墾し、茶畑にしようと取り組んだのが、最後の将軍徳川慶喜の警護を担っていた「新番組」とその隊長中條景昭だったといわれています。

 

しかし、徳川300年、農民すら見向きもしなかった不毛の土地を、生きた土地に変えるには相当な苦労と試行錯誤があり、初めての茶摘みができるまで、なんと4年間もかかったといわれています。

当初は水すらも引くことが難しかった台地に、中條景昭以下、農民へとなった武士たちは全精力を傾け、茶畑へと育て上げることに注力したのでしょう。牧之原台地は今では“不毛の台地”であったことすら全く感じさせない広大な茶畑が広がりますが、その発展の陰には、版籍奉還で家族を養わなければならなくなった武士たちの意地があったのかと思われます。静岡 観光スポット 牧之原台地

牧之原台地とその周辺観光スポットへのアクセスと回り方

牧之原台地は、島田市、牧之原市、菊川市という三つの市にまたがった広大な茶畑です。最寄駅である金谷駅もありますが、あまりにも広大であるため車で行かれることをお勧めします。

基本的には“牧之原台地”は茶畑全体のことを言い、その茶畑を車で通りながらこれからご紹介するお茶の郷博物館や、牧之原公園、石畳といった観光スポットを車で巡るという方法が基本です。

ちなみに牧之原台地まで金谷駅からは車で5分ほど、カンデオホテルズ静岡島田からは車で17分ほどで行くことができます。島田のホテルではぜひカンデオホテルズ静岡島田をご利用ください。

牧之原台地はこちらです

牧之原台地の見所・お楽しみスポットたち

牧之原台地は日本最大の茶畑ということから、さまざまな見所スポットが存在します。一面に広がる広大な茶畑ももちろんですが、実際にお茶を喫茶できたりお土産が購入することができるお茶の郷や、大井川流域の絶景が見渡せる牧之原公園、また東海道の名残を残す石畳など、その周辺にはこの地域ならではの観光スポットが広がります。

静岡 牧之原台地 最大の茶畑

日本最大級の茶畑。

お茶の郷博物館:牧之原台地やお茶のすべてが楽しめる

牧之原台地の最大の観光スポットがお茶の郷博物館です。お茶の郷博物館は、広大に広がる茶畑のど真ん中にあるお茶の博物館で、日本茶に関するありとあらゆる情報を発信する博物館です。

ただし、博物館とはいっても、ただの博物館ではなく、情報発信だけではなくお土産や喫茶、飲食、日本庭園の散策など、日本人の生活に密着にかかわっている日本茶をあらゆる面から楽しもうという試みが楽しめる場所です。

また情報配信に関しては日本茶だけではなく、世界のお茶に関する文化や産業、喫茶の習慣、お茶の健康機能などについて、知られざるお茶の秘密について知ることができるのです。

お土産からレストラン、日本庭園、茶室までそろうお茶のテーマパーク

ここ、お茶の郷博物館では大きく分類すると、3つのエリアから構成されています。第一が、この地ならではのお茶である島田茶や金谷茶、川根茶といったお茶のお土産などが売っていて、レストランやカフェなどでお茶を楽しめる商業館、第二が、お茶に関する様々な歴史や産業、喫茶文化などが分かる博物館、第三が、わびさびの文化と密接にかかわりがあるお茶と禅がわかる、日本庭園、茶室のエリアです。

静岡 牧之原台地 最大の茶畑

お茶の郷

静岡 牧之原台地 最大の茶畑

日本庭園やお土産、茶室もあります

戦国時代の日本庭園、お茶室で喫茶体験も

この島田市お茶の郷博物館の最大の見所の一つが、日本庭園とお茶室です。ちなみに日本庭園とお茶室は、日本のわびさびの文化の源流をなすもので、安土桃山時代に茶が流行した際に、この両者はお茶の一大文化にとって欠かすことができないものになりました。

また日本庭園はお茶を伝えた栄西が開祖でもある臨済宗、すなわち禅の思想を色濃く受け継いでおり、そんな点からも日本茶と日本庭園の関わりがうかがうことができます。

 

ちなみにこのお茶の郷博物館で見られる日本庭園は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した茶人、小堀政一が建設したという日本庭園を復元したもの。

小堀政一は江戸時代には徳川幕府に仕え、大御所家康の隠居城でもある駿府城の普請や、家康の息子で九男義直のために作られた名古屋城天守閣の普請、更には後陽成天皇の御所の普請を行った経歴を持つ人物です。

そして、このお茶の郷博物館で見ることができる復元された日本庭園は、後水尾天皇の院御所の庭園をそのまま復元したものとされます。

 

更に、この日本庭園に存在する茶室も、この小堀政一が手がけた茶室をそのまま復元したものとされます。このお茶室では、料金を支払えば実際に利用することも可能で、お茶を飲むことができます。

ちなみに、お茶の文化は、先にも述べた通り、安土桃山時代、すなわち戦国時代から本格的にひろまりましたが、この島田市お茶の郷博物館においては、その象徴ともいえる当時の日本庭園と茶室を見るだけではなく、実際に喫茶も体験することができます。静岡 観光スポット お茶の郷博物館 静岡 観光スポット お茶の郷博物館

島田市お茶の郷博物館の利用案内

住所:静岡県島田市金谷富士見町3053-2

休館日:毎週火曜日

開館時間:博物館/9:00~17:00(入館は16:30まで)、茶室/9:30~16:00(入館は15:30まで)

料金:博物館だけは大人600円、中学生・小学生は300円、お茶室とセットで、大人1000円、中学生・小学生は700円。また、お茶室単体は500円で利用可能。

お問い合わせ先:お茶の郷 info@ochanosato.com 0547-46-5588

アクセス:東海道本線「金谷駅」から静鉄バス萩間線・勝間田線「二軒家原お茶の郷」下車または車約5分

牧之原公園:栄西の銅像と富士山から大井川の絶景パノラマ

牧之原台地のもう一つの見所スポットが牧之原公園です。牧之原台地は台地といわれるように通常の場所からは少し高い土地にあり、標高は40メートルから200メートルの高さに位置しています。牧之原公園はそんな牧之原台地の中で最も眺めがいい場所であり、島田市や牧之原市、大井川を一望のもとに見渡すことができるスポットなのです。

また天気がいい日には富士山も見ることができ、牧之原台地の観光スポットの一つとして訪れておきたい場所です。この牧之原公園にはもう一つ、日本茶と馴染み深い人物の銅像が立っています。それが、冒頭でご紹介した日本茶と喫茶の文化を日本に広めた栄西です。

栄西は臨済宗と禅の文化を日本にもたらしただけではなく茶に関する製法、効能、喫し方まで記した書を残すほど、お茶の浸透に力を注いだ人物であり、日本最大のお茶の産地である牧之原台地にかかわりが深い人物の象徴として栄西の銅像が牧之原公園では見ることができます。

牧之原台地は一面広がる茶畑も堪能できますが、ここ牧之原公園でいったん車を止め、巨大な大井川や雄大な富士山の一大絶景パノラマを楽しんでみてもいいでしょう。静岡 観光スポット 牧之原台地 牧之原公園静岡 観光スポット 牧之原公園

石畳:東海道の舗装道路が江戸情緒とともに残る

牧之原台地から金谷駅の間にある、隠れたスポットが東海道石畳のスポットです。東海道石畳とは、かつて江戸時代の五街道の一つでもあった東海道の整備された姿が残されている場所です。牧之原台地からは車で4分ほど、歩くと25分ほどの場所にあるこの場所では、江戸時代の道路事情が見れるのです。

石畳とは道路に自然石を敷き詰めて舗装した道路のことで、日本だけではなく世界で見られるかつての道路です。ヨーロッパなどでは古代ローマ帝国時代のものから、中世に至るものまで石畳はなじみ深い景色ですが、日本では中々見ることができない光景です。

この石畳は宿場町である金谷宿から牧之原台地へ向かう金谷坂に設けられている通りですが、なんと430メートルにも上る長大な復元が平成に入ってからなされており、このあたり一帯の見所スポットの一つでもあるのです。

ちなみに、舗装復元に当たっては600名もの人が大井川から石を集めて復元したとされ、江戸時代の在りし日の姿が復活しているのです。ちなみにこの石畳の入り口には石畳茶屋もあり、お茶を飲みながら石畳を散策することができます。

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まとめ

牧之原台地とその周辺の観光スポットはいかがでしょうか。広大に広がる日本最大の茶畑も迫力がありますが、そこでは日本のわびさびや禅の文化につながる日本茶のすべてが体感できる観光スポットが充実しているのです。また、大井川や富士山を望める一大絶景パノラマや、江戸時代の東海道の石畳など、奥が深い島田の観光を堪能することができます。またお茶のお土産などの利用だけでも価値あるスポットです。ぜひ静岡島田の観光の際には牧之原台地におたずねください。