春日大社。藤原氏ゆかりの世界遺産

春日大社とは

奈良の最大の観光スポットである奈良公園。巨大な大自然の公園の中には世界遺産として登録されている3つの観光スポットが登場します。それが東大寺と興福寺、そして今回ご紹介する春日大社です。春日大社は、全国に約1000ある春日神社の総社ともいえる存在で、奈良公園の見所のひとつでもある鹿にゆかりの神社です。

また、1300年の歴史を誇る古都奈良の文化財のひとつとして、連日多くの人が訪れる場所でもあるのです。また本社をはじめ4殿の建物が国宝に登録されており、併設されている国宝館では、多数の国宝の文化財を目の当たりにすることができます。

ここでは実際に朱塗りの境内の奥まで見ることができたり、甲冑や刀剣など多数の美術工芸品も見ることができます。今回は、奈良公園の中の見所スポットのひとつである春日大社を中心にその見所と周辺観光スポットをご紹介します。

春日大社

春日大社の歴史。興福寺と鹿との関係

春日大社は都が平城京に遷都された710年にはじまります。因みに奈良公園にある東大寺、興福寺、春日大社は、平城京の巨大な門前町として長年多くの人が訪れる一大スポットです。春日大社はなかでも長年興福寺と一体とされてきました。

春日大社が藤原氏の氏神である武甕槌命を祀っている一方で、興福寺は藤原氏の氏寺として、栄えてきたのです。奈良時代から平安時代にかけて両社は藤原氏の重要なバックグランドとして興隆し、興福寺に至っては、奈良県、かつての大和の国の大半の荘園をゆうし、いわば実質的な奈良の国主としてその権勢を誇ったと言われています。

例えば、興福寺と春日大社の関わりを示すエピソードとして、平安時代などに強訴が行われましたが、興福寺の僧兵がかついでいた神輿は、春日大社の神木だったと言われているのです。このように春日大社と興福寺はいわば藤原氏という貴族を中心に長年発展していきました。

また、奈良公園の見所のひとつは園内に多数存在する鹿ですが、鹿は、春日大社では神の使いとされており、東大寺、興福寺、春日大社など至るところで神の使いである奈良の鹿が目の当たりにできます。

春日大社の見所

春日大社には国宝であり世界遺産である朱塗りの境内をはじめ多数の見所が登場します。ここでは春日大社の見所をご紹介します。

回廊式の本殿

春日大社は他の神社とは違い、拝観料を支払うことで、本殿を散策することができます。春日大社の本殿は回廊式となっている非常に珍しい作りで、長方形の塀に囲まれています。周囲を取り囲む塀は回廊となっており南回廊、東回廊、西回廊、北回廊という東西南北の回廊で囲まれており、その内部にご本殿や中門、更にはご神木であり樹齢1000年近い大杉などが登場します。

春日大社

特別参拝券を購入し進むと登場するのが中門です。この中門は楼門になっており高さ10メートルほどの大きさです。左右に13メートルで御廊が伸びており、かつてここでは興福寺の僧侶が御経を上げる場所として利用されていました。

春日大社

そして中門をくぐると搭乗するのがご本殿です。このご本殿は4つの本殿で構成されており、いずれも国宝です。それぞれで異なる神様を祀っており、第一殿では、藤原氏の守護神といわれる武甕槌命を、第二殿でも同じく藤原氏の守護神である経津主命を、第三殿では、藤原氏の祖神である天児屋根命を、第四殿では、同じく藤原氏の祖神で、天児屋根命の妻とされる比売神をまつっています。全員が藤原氏の神さまです。

春日大社

樹齢1000年の大杉

春日大社の境内には樹齢1000年を超すともいわれている巨大な大杉があります。この大杉は樹高23メートル、幹の周辺は、7.94メートルもの大きさを誇っており、鎌倉時代後期に描かれた春日権現記にその存在が記されています。また面白いのが、隣に立つ直会殿の屋根に穴を通してその成長を保っています。

春日大社

灯籠。有名戦国武将たちが寄進した灯籠

春日大社には多数の灯籠がつるされています。その中には、有名な戦国武将たちが寄進した灯籠なども現存されています。例えば、中門には、上杉家の家老としてその存在を知られた直江兼次や、関ヶ原の戦いで西軍最大の兵力を率い、敗れたのちには島流しにあった宇喜多秀家や、築城の名手として知られ、戦国時代から江戸幕府まで生き残り大封を手にした藤堂高虎など、多くの戦国武将がここ春日大社に灯籠を寄進したのです。

春日大社

南門。重要文化財

春日大社の入り口が南門です。この南門は高さ12メートル、春日大社の中で最大の門と言われています。この門は、表参道を歩いて訪れた際に入る門であり、重要文化財に登録されています。

春日大社

国宝殿。平安の正倉院といわれる文化財の宝庫

春日大社には多数の文化財が収蔵されています。その豊富さから、平安の正倉院とも称されています。因みに正倉院とは、国の文化財を保存する倉庫のことで、春日大社と同じく奈良公園の内部、東大寺のすぐ近くにある国宝の建物です。春日大社では多数存在する文化財は別に国宝殿で展示しています。そこでは鎧や刀剣などさまざまな文化財が収蔵されています。

萬葉植物園

春日大社には美しい草花が見れる萬葉植物園もあります。ここでは約300種類もの萬葉植物が咲き誇る庭園で、約3ヘクタールもの広さを誇ります。因みに萬葉植物とは、歌集である万葉集い登場する植物のことで、自然のまま咲き誇る姿が目の当たりにできます。ここは萬葉園・五穀の里・ 椿園・藤の園に大きく分けられており、春と秋が見所です。

春日大社

春日大社へのアクセスと利用案内

春日大社は奈良公園の中でも一番奥の山の上の方にあります。一番スムーズなのが車で春日大社専用駐車場までアクセスするのが一番楽です。それ以外では、バスでアクセスする方法もあります。その場合は、JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から奈良交通バス、春日大社本殿行で約15分ほど乗って「春日大社本殿」のバス停で降ります。

奈良公園は東大寺、興福寺などもありますので、そうした周辺観光スポットと合わせて回ってみることをおススメします。また奈良駅からは徒歩で約30分ほどかかります。奈良の観光スポットは、春日大社がある奈良公園がある北部と、飛鳥地方がある南部のエリアがあり、それぞれで見所が多数存在します。カンデオホテルズ奈良橿原から奈良公園の一体までは車で約40分ほどで行くことができます。

春日大社の利用案内

所在地:〒630-8212 奈良市春日野町160
TEL:0742-22-7788
FAX:0742-27-2114
本殿参拝料:500円
国宝館
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
拝観料:一般500円、大学生・高校生300円、中学生・小学生200円
萬葉植物園
開苑時間:3月~10月/9時~16時30分(17時閉門)、11月~2月/9時~16時(16時30分閉門)
定休日:3月~11月/無休、12月~2月/月曜(ただし、祝日等と重なった場合は翌日)
拝観料:大人 /500円、小人 /250円

春日大社と合わせて見たいおススメ観光スポット

春日大社は冒頭でもご紹介したように奈良公園の一角にあります。奈良公園は、巨大な公園で奈良の最大の見所である東大寺、興福寺が登場する観光スポットです。ここでは春日大社とセットで回りたいおススメの観光スポットをご紹介しましょう。おそらく春日大社と共に東大寺や興福寺を回ることで丸一日、古都奈良の世界遺産を満喫することができます。

興福寺。春日大社と同じく藤原氏の氏寺

冒頭でもご紹介したように、春日大社はかつては興福寺と一体でした。春日大社が藤原氏の守護神や祖神をまつっているように、興福寺ももともと藤原氏の氏寺として建てられました。奈良時代や平安時代を通じて両社は一体として存在し、中でも興福寺は実質的な大和一国の守護職だったのです。

興福寺は平安時代には大量の僧兵や大和武士を抱え、強大な勢力をほこり、時の権力者であった平氏などにも対抗する力を備えていました。そんなことから、たびたび焼き打ちにあい、平安時代には平重衡の焼き討ちにあい、戦国時代には松永久秀に焼き討ちされ、江戸時代に入ってから再建されました。

興福寺の最大の見所は巨大な五重塔や金堂です。五重塔は日本で京都の東寺について二番目に大きい大きさを誇り、高さは約50メートル、雄大な姿を目の当たりにできます。また、金堂や三重塔など多数の国宝が残されており、雄大な姿が楽しめます。春日大社からは車で数分、歩いて15分ほどで行くことができます。

興福寺

東大寺

春日大社、興福寺と共に奈良公園で見ておきたい一大観光スポットが東大寺です。東大寺は奈良の大仏で知られる廬舎那仏がある巨大なお寺として、世界遺産にも登録されています。東大寺にも多数の国宝や文化財が残されていますが、最大の見所が巨大な大仏殿と廬舎那仏です。

東大寺の大仏殿は世界最大の木像建築物といわれる存在で、その巨大な大きさに圧倒されることでしょう。また大仏殿の内部には廬舎那仏を見ることができます。この大仏もその巨大な姿に圧倒されます。

更に東大寺では大仏殿がある一体以外に、東のエリアでは、二月堂や三月堂といった国宝や、西のエリアでは戒壇院といわれる僧侶に戒律を授ける場所、更に大仏殿の背後には正倉院が存在し、見所盛りだくさんの観光スポットとなっています。こちらも春日大社から車で数分、歩いて15分ほどで行くことができます。

東大寺

まとめ

春日大社は東大寺、興福寺と共に奈良公園の最大の見所スポットのひとつです。朱塗りで回廊式の境内は他では見ることが出来ない独得の姿を目の当たりにできます。また、春日大社は鹿を神の使いとしていることから、奈良公園に多数いる鹿が、春日大社を参拝した後には、一味違う形で見ることもできます。更に周辺の興福寺や東大寺と共にめぐることで、古都奈良の観光をより一層充実したものにできることでしょう。