観世音寺。太宰府に残る日本最古の梵鐘や仏像彫刻の宝庫

観世音寺とは。天下三戒壇の一つ

観世音寺は、太宰府に残る九州一古いお寺です。太宰府では太宰府天満宮が有名ですが、太宰府はかつて九州地方を統括する政庁であった大宰府があった場所です。

古来、日本の朝廷は、日本全国の統治の一つの方法として仏教を柱の一つにしていました。奈良時代に聖武天皇が大仏を建立し、日本全国にも大仏が作られるようになりますが、観世音寺が建てられたのも、仏教の導入が盛んになった時代です。

当時、僧となるためには戒律を授からなければなりませんでしたが、戒律を授け僧になる資格を与える場所が戒壇院です。日本では古来この戒壇院が3か所しかなく、有名な奈良の東大寺、栃木の下野薬師寺、そして今回ご紹介する太宰府の観世音寺です。

観世音寺はこうした経緯から、日本で古いお寺の一つでもあり、九州地方における仏教の拠点でもありました。こうした歴史的ななりたちから、観世音寺には多数の見所が登場します。

日本最古の梵鐘や、数々の仏教彫刻、また、お隣にある戒壇院など、太宰府観光の名スポットの一つです。

大宰府 観世音寺

観世音寺の歴史。天智天皇と鑑真和上ゆかりの地

観世音寺の始まりは、大化の改新で有名な天智天皇が開いたことにはじまります。天智天皇は、母である斉明天皇のためにこの観世音寺を建設が開始し、完成したのは746年ごろともいわれています。

こうした経緯で建設された観世音寺ですが、戒壇院としての役割を果たすようになったのは、それから14年後の聖武天皇の時代です。

聖武天皇は国を統治する柱の一つとして仏教を考えますが、そのさいに、仏教と僧になるための制度を整えた人物の一人が鑑真和上です。鑑真和上は中国の僧で、日本から要請されて日本に帰化した人物です。当時日本では、僧になるための制度が整っておらず、私的に出家した僧が一般的でした。

しかし、国を統治する柱の一つにするためには、正式な制度によって認められた僧が必要です。こうした制度を整えてほしいとの要請の元、鑑真和上は日本に来日しました。そして、正式な戒律を授ける場所として作られたのが、戒壇院なのです。

観世音寺が東大寺と下野薬師寺と共に天下三戒壇の一つになったのは既にご紹介した通りです。

大宰府 観世音寺

観世音寺の本堂

観世音寺の見所。国宝から重要文化財までそろう

観世音寺は、西暦746年に建てられ、更にその後の奈良時代では仏教の中心的存在でしたが、長い年月の間の度重なる火災などによって伽藍の多くが焼失してしまいました。

かつては南大門など堂々たる伽藍が存在しており、現在はその姿は失われてしまっています。しかしそれでも、ここには九州地方の仏教の中心であったことから、国宝や重要文化財など多数の見所が登場します。

国宝。日本最古の梵鐘

観世音寺の最大の見所の一つが日本最古の梵鐘です。梵鐘とは除夜の鐘などに代表されるような、いわゆるお寺にある釣鐘のことです。この梵鐘は鋳造によって作られた青銅なのが一般的であり、現代でも日本のお寺では見慣れた存在です。

しかし観世音寺にある梵鐘は日本で最古といわれる梵鐘で、国宝にも登録されている存在です。ちなみに日本最古の梵鐘は、京都・妙心寺鐘、奈良・当麻寺鐘があり、観世音寺の梵鐘はそのうちの一つです。

この梵鐘ですが、その作り方は鋳造といって、砂で作った型の中に溶けた金属を流しこむ製法で、観世音寺の梵鐘は京都妙心寺の梵鐘と全く同じ形状であることから、作られた年は西暦698年とされています。

大宰府に流された菅原道真公の詩にも出てきます。ちなみにこの日本最古の梵鐘は、環境省指定の「日本の音風景100選」に選出されるほど。圧巻の景色を見せてくれます。

大宰府 観世音寺

世界最古の梵鐘は圧巻です

数々の仏像たち。国の重要文化財

観世音寺には多数の仏像が収蔵されています。その多くは宝蔵に収蔵されており、多数の仏像が国の重要文化財に登録されています。この仏像の撮影は禁止されていますが、高さ5メートル前後の大きさを誇る巨像3体、馬頭観音、不空羂索観音、十一面観音をはじめ、平安時代から鎌倉時代にかけての数々の文化財が登場します。

こうした仏像が見ることができるのも九州地方の仏教の中心であった観世音寺ならではです。

大宰府 観世音寺

仏像が博物館に残されています

史跡にも登録される本堂や金堂

観世音寺は史跡にも登録されていますが、境内の象徴的な存在が講堂といわれる本堂です。この講堂は江戸時代の1688年に再建されたものですが、境内の正面に建てられています。かつてはこの本堂に高さ5メートルの3体の巨像を含めた多くの仏像が建てられていました。また、この本堂の近くにあるのが金堂です。この金堂も江戸時代1631年に再建されました。こちらも境内の雰囲気を味わえる建物の一つです。

大宰府 観世音寺

国指定の史跡です

碾磑。奈良時代の小麦を引く石臼

観世音寺の見所の一つが、碾磑、“てんがい”と呼ばれる石臼です。この石臼はなんと奈良時代に作られ使用されていたという石臼で、何と日本書記にも記載がされている石臼とされています。その記録では西暦610年に当時の朝鮮である高麗から来日した僧がこの石臼を使って小麦引いたとされています。こちらの石臼も貴重な歴史的文化財です。

戒壇院もセットで

観世音寺の役割は、天下三戒壇の一つとして、僧に戒律を授けることを目的として建てられましたが、戒壇院も隣に残されています。ちなみにもともと戒壇院と観世音寺は同じでしたが、現在の戒壇院は臨済宗、(観世音寺は天台宗)で別宗派です。

この戒壇院も鑑真和上が開いた場所としてセットで見ることができます。戒壇院は国の重要文化財に登録されている本尊盧舎那仏坐像が本堂にあります。

この仏像は平安時代末期の作で、貴重な文化財です。また本堂の建物や鐘楼、梵鐘などが福岡市の文化財です。この戒壇院は、日本三戒壇の一つとしての歴史的な存在もありますが、独特の雰囲気が漂います。

戒壇院

観世音寺の利用案内

所在地:〒818-0101 福岡県太宰府市観世音寺5丁目6−1

TEL:092-922-1811

開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)

拝観料:大人500円、高・大生300円、小・中学生150円

観世音寺へのアクセス。レンタサイクルがおススメ

観世音寺へは大宰府駅から徒歩もしくはレンタサイクルでのアクセスをオススメします。徒歩だと約20分ほど、レンタサイクルですと5分ほどで着く距離に。レンタサイクルは大宰府駅で借りることができ1日500円(電動サイクルつきだと800円)です。

大宰府の表参道と天満宮に参拝したあとは、駅前で自転車を借りて、観世音時、戒壇院、大宰府政庁跡とまわるのがオススメのルート。また大宰府駅は、福岡の中心地でもあり、カンデオホテルズ福岡天神や、カンデオホテルズ ザ・博多テラスがある西鉄福岡(天神)駅から約20分で行けてしまうほど近い場所にあります。

大牟田線で西鉄二日市駅までいき、太宰府線に乗り換えればひと駅で大宰府駅で行くことが可能です。

大宰府駅から観世音寺はこちらです

観世音寺とセットで見たい周辺観光スポット

観世音寺はその周辺に多数の観光スポットが登場します。太宰府天満宮からは自転車で5分から10分ほどの場所にありますが、ここではその周辺の合わせて見たい観光スポットをご紹介しましょう。

大宰府政庁跡

観世音寺からわずか数分の場所にある観光スポットが大宰府政庁跡です。太宰府はもともと地方の行政府を指す言葉で、九州地方の統治を行う行政機関でした。

その古代における役割はかつての九州であった筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、日向、薩摩、大隅の九カ国の統治と、壱岐や対馬などの島々を統治する役割を担っていました。とくに九州諸国に存在する豪族を抑えるとともに、おもな役割の一つとして、海外との貿易の管理なども行っていたとされています。

そんな太宰府の行政機関の中枢ともいえるのが大宰府政庁跡です。かつてここには奈良時代、平安時代を通じて外交と軍事の要衝として栄えたのです。

現在、この政庁跡は、礎石や区画の跡しか残されていませんが、現在の跡地だけではなくその規模は非常に大きく、当時の都であった平安京に次ぐ大きさを誇っていたとされています。

大宰府政庁跡はそんな九州の地方政府の中心としてその姿がしのばれます。また、現在は、緑がたくさんあるエリアとして、桜の名所やピクニックなどに最適な場所として利用できます。

大宰府政庁

太宰府天満宮

太宰府の観光でやはり欠かすことが出来ない存在が太宰府天満宮です。

太宰府天満宮は、学問の神様として有名な菅原道真を祀った神社として知られ、多数の見所が登場する神社です。太宰府天満宮では、毎年日本全国から200万人以上が訪れる観光スポットでもあり、梅が咲き誇る季節が人気です。

また、太宰府天満宮には著名な幕末の志士たちが多数参拝している場所としてしられ、西郷隆盛や坂本龍馬をはじめ、伊藤博文や中岡慎太郎なども訪れたとされています。

幕末の志士がおとずれた茶屋なども太宰府天満宮の参道で見ることができます。更に太宰府天満宮にはその周辺には九州国立博物館や参道、光明禅寺といったさまざまな観光スポットがあり、奥深い観光を楽しむことができます。

太宰府天満宮

まとめ

この観世音寺は創建当時の姿ではありませんが、日本の仏教の中心的な存在として、戒壇院と共に多くの歴史的な文化財が残されています。

国宝である日本最古の梵鐘をはじめ、国の重要文化財にも登録されている数々の仏像たち、また史跡として楽しめる本堂や金堂など、当時の歴史と文化が味わえる観光スポットといえるでしょう。

また、本堂やその周辺は自社にふさわしく森に囲まれており、わずかながら当時のたたずまいを偲ぶことができます。となりに隣接する戒壇院とともに奈良時代のお寺に思いを馳せながら、数多くの仏像と、梵鐘を見ていただくとより一層味わい深い観光になるかと思われます。

レンタサイクルで訪れる場合には、大宰府政庁跡の途中に位置していますのでサイクリングの途中で立ち寄られてはいかがでしょうか。

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