民芸伊予かすり会館。松山の伝統工芸を体験できる

かつて日本一の生産を誇った伊予絣

愛媛松山といえば、道後温泉や夏目漱石、正岡子規などの文学の街として有名です。また食では松山ならではの鯛めしといった郷土料理が楽しめる地域。そんな松山には江戸時代から伝わる伝統工芸が残されています。それが伊予かすりと言われる松山で製造されている絣です。

別名松山絣とも言われ、福岡の久留米絣、福山の備後絣とともに、日本三大絣の一つとしてここ伊予絣は有名です。ちなみに絣とは、日本に伝わる織物の技法の一つで、絣糸という事前に染め分けた糸を縦と横に組んで織り上げ独特の文様を表現する織物技法の一つです。もともとこの絣の技法はインドで始まり、タイやカンボジア、ベトナム、インドネシアといった東南アジアで広まり、琉球を経て日本に伝わりました。

この伝統は古く、江戸時代に本格的に拡大したといいます。もともとの始まりは先に述べた久留米絣で、久留米藩が藩の事業として始めたもので、専売制にすることで藩財政を潤したといいます。その流れで松山にも伝わり、伊予では鍵谷カナと呼ばれる人物が伊予絣を独自に開発しました。絣自体は江戸時代後期から明治時代、さらには昭和の中頃1960年代くらいまで和服用の反物として流通し、洋服が広まる時代まで、和服用の製法として一斉を風靡しました。

中でも伊予絣は最大の生産量を誇り、全盛期の1904年には年間200万反以上を記録しました。そんなかつての伝統が今も松山の地で残されています。本日は松山の伝統工芸、伊予絣が体験できる、民芸伊予かすり会館をご紹介します。

松山 伊予絣

民芸伊予かすり会館へのアクセス

民芸伊予かすり会館は松山の中心市街地である大街道や松山市駅からは少し離れた場所にあります。松山駅からは車で10分ほど、松山市駅からは車で15分ほど、また大街道付近からも15分ほどで行くことができます。カンデオホテルズ松山大街道からも車で15分ほどで行くことができます。民芸伊予かすり会館は駐車場も50台までとめられ、入場料は大人100円、小中高生が50円、開館時間は8時10分から16時50分までです。

伊予かすり会館はこちらです

伊予絣の製造現場見学から藍染体験、お土産と食事までそろう

民芸伊予かすり会館は、伊予絣の製造工場がそのまま見学でき、尚且つ藍染も体験できる会館になっています。また食事どころも備えており、製造工場の見学から体験、食事まで一貫して過ごすことが可能です。さらには伊予絣で作られたさまざまな伝統工芸品を備えており、お土産にも最適。

実際の製造工場では、縦糸と横糸を交差して作る絣の伝統的製法をそのままにみることができ、当時から使用されていた実際の織り機も展示されています。実際の体験では天然の藍染体験ができ、伊予かすり会館ならではの藍染が体験できます。この会館の入口には、伊予絣の創始者鍵谷カナの銅像が建てられており、伊予絣を思いつくエピソードも紹介されています。

もともと鍵谷カナは農家に嫁いでいましたが、18歳の時に農家の藁屋根の葺き替え作業の時に伊予絣のヒントを思いついたといいます。藁屋根を押さえた竹が煤けて縄の目が模様として浮き出るという現象に着目して開発したとか。そんなエピソードも知ることができます。

松山 伊予絣

伊予絣の創始者

松山 伊予絣

体験からお土産まで揃います

まとめ

伊予絣会館ではこの松山の地に残る貴重な伝統工芸をまるごと体験することができます。伊予絣は洋服が普及するまでは、日本の和服の生産の中心的存在として興隆をしましたが、現在もまだその独特の風合い、美しい姿を残し、生産をしています。現在は愛媛県指定の伝統特産品としてお土産などに愛用されていますが、藍染によって織り成す独特の文様と、縦糸と横糸による織りによる仕上がりは見ごたえがあります。是非松山の伝統工芸スポットとして訪れることをオススメします。