平城京跡歴史公園。1300年前の都が復元

平城京跡歴史公園とは

今から遡ること約1300年前、奈良には日本の首都である平城京がありました。飛鳥時代に築かれた都である藤原京が首都の役割を果たしていましたが、西暦710年に、平城京に遷都がされたのです。

この平城京とは、唐の都である長安をモデルに作られた大都市で、帝が住まわれる内裏をはじめ、政治と儀式を行うための行政機関である大極殿・朝堂院などが設けられました。

その広さは東西約4.3キロメートル、外京を含めると6.3キロメートル、南北約4.7キロメートルに及ぶ巨大なもので、平安京に遷都される810年まで100年間、日本の首都であり続けたのです。この平城京ですが、実は今、国営公園として事業化され、発掘調査と復興が行われ始めているのです。

この公園はもともと平城京に遷都してから1300年目の2010年に、平城遷都1300年記念事業として開始されたもので、大極殿などが復興されました。2018年3月24日には、朱雀大路を中心としたエリアである朱雀門ひろばが観光拠点ゾーンとして開園し、現在も大極殿や内裏のあたりなどを復興工事中です。

2019年には南門が公開される予定で、今後、巨大な平城京が再現された公園として利用できるようになるでしょう。今回は、そんなかつての都である平城京を再現した平城京跡歴史公園をご紹介します。

平城京跡

平城京の全体図

今回ご紹介する平城京跡歴史公園は、かつての平城京を再現する巨大な公園です。平城京は先にもご紹介した通り、その全体図は東西4.3キロメートル、南北4.7キロメートルの巨大なものになります。

平城京は条坊制といわれ、唐の都である長安やのちの京都の長岡京や平安京もこの条坊制といわれるものです。条坊制とはいわば東西南北の大通りを設け、そこに碁盤の目のよう町を配した都市構造のこと。

平城京は中央に巨大な朱雀大路を設け、左右に右京と左京を設け、更には時に外京を設けた構造です。中央の朱雀大路には朱雀門が設けられています。

ちなみに現在公園として利用できるエリアは、実はこの朱雀門の前までの平城京への入り口の部分の広場です。更にその奥にある大極殿があり、大極殿院の入り口である南門などが復興中です。

平城京

平城京跡歴史公園の見所

現在朱雀門までの広場が平城京跡歴史公園として入ることが出来ますが、その入り口の広場の時点でものすごく広大な広さを誇っています。このあたり一帯は朱雀大路と朱雀門を中心にその周辺にはさまざまな見所が登場します。

基本的には朱雀門ひろばの一体がメインとなり、その部分に観光情報やレストラン、カフェ、展示館などが集約していますが、さらに奥にはかつての平城京の宮殿の中心であった第一次大極殿などもあります。また遣唐使船などの復元も体験することができます。

朱雀門ひろば

現在利用できる範囲が雀門ひろばといわれる部分です。朱雀門までの広場は、朱雀大路といわれる大通りが通り、その中には二条大路や、観光交流館が立ち並び、観光スポットとして見学することができます。

交流館は全部で、5カ所あり、天平みはらし館、天平みつき館、天平うまし館、天平つどい館、朱雀大路を挟んで反対側にある平城京いざない館があります。

そして最大の目玉が朱雀門で、巨大な姿を目の当たりにできます。この朱雀門ひろばは奈良時代には、外交使節を歓待する広場として利用されたり、祭事、今でいうお祭りが行われる広場として知られ、憩いの場として利用されたのです。

平城京

朱雀門。宴や外交使節を迎える場所

平城京跡歴史公園で最大の見所が朱雀門です。朱雀門は平城京の入り口であると同時に、朱雀広場の中心であった存在です。現在復元された朱雀門は間口約25m、高さ約20mの入母屋二重構造で、1998年に作られました。

この場所は、既にひろばの部分でもご紹介した通り、朝鮮や中国などの外交使節を迎えるための広場の入り口でもあり、正月には時の天皇がこの朱雀門まで出向き、新年の挨拶を行った場所でもあります。

この朱雀門の発掘研究は、昭和39年に開始され、その後当時の文献や発掘調査などから模型で再現し、1998年に復興されることとなったのです。

ちなみに朱雀門の直接的な形を示している資料は残されておらず、再現するにあたっては、古代建築の様式や当時の文献、出土した瓦や柱の位置などから、想定して復元されたものです。

この朱雀門から先にははるかかなたに、大極殿が見通すことができ、平城京の在りし日の巨大な姿がしのばれます。

平城京

朱雀大路。幅73メートルのメイン通り

朱雀大路は、平城京の入り口である朱雀門までに続く大通りです。入り口は芥川龍之介の小説で有名な羅生門で、羅生門から入り朱雀門まで続く通りです。ちなみにその幅はなんと73メートルもの巨大なもので、雄大な平城京を実感することができます。

平城京跡

天平館。展望デッキから企画展、レストランまでそろう

平城京跡歴史公園には、4つの天平館があります。天平みはらし館では、展望デッキがあり、平城京全体図を見渡すことができます。平城京は冒頭でもご紹介した通り、約4キロ四方の巨大なもので、大極殿もはるか先にあります。

この展望デッキでは巨大な平城京の全体図を見渡すことができます。ここではVRシアターやレンタサイクル貸出所があります。天平うまし館では、その名の通りレストランやカフェがある場所で、同時に平城京の時代に盛んになった遣唐使の実物大の船に乗り込むことが可能です。天平みつき館は、奈良県の観光情報やお土産が多数そろいます。

天平つどい館は、情報提供や集合場所として利用できます。このように、平城京跡歴史公園には、食事から観光案内、情報収集までできる4つの施設が利用できるのです。

平城京いざない館。平城京の歴史や今がわかる

天平館があるエリアから朱雀大路を挟んで反対側にあるのが平成いざない館です。平成いざない館では、平城京の歴史から、現在の復元されてある平城京の現在についての展示が楽しめます。

ここでは当時の平城京の様子を模型で再現された展示などが見れ、200分の1の大きさの平城京や出土した構造物の模型などが展示されています。

第一次大極殿

朱雀門からはるか先に見えるのが第一次大極殿です。大極殿は、平城京の中でも最大の宮殿であり、第一次と第二次があります。

その大きさは幅44メートル、奥行き20メートル、高さ27メートルもの巨大なもので、直径70センチの柱が44本そびえ、屋根瓦の数は9万7000枚にも上る建物です。この大極殿は、天皇の即位式や外交使節との面会など、当時の朝廷の儀式を行う場所として使用されたたてものです。

ちなみに第一次大極殿は、平城京が始まった710年から740年の恭仁京への遷都までの間使用されました。

この大極殿の復元も2010年の遷都1300年を記念して行われたもので、現存する同時代の建物や、発掘調査で明らかになった遺構などをもとに古代建築が精査され再興されたのです。

平城京跡

第一次大極殿南門。復興中

第一次大極殿があるエリアは、その周囲を柵で囲まれており、大極殿院といわれていました。周囲を柵で囲みながら入り口には南門といわれる門が設けられていたことがわかっており、この南門の復興工事が進んでいます。

こちらは、朱雀大路を通って、朱雀門を超え、更に進むと登場する存在で、この南門を通り、大極殿に入るというイメージです。

こちらも伝統的な工法によって復元がすすめられ、将来的には南門だけではなく、その周囲を囲む「築地回廊」、「東西楼」、「内庭広場」なども整備される予定です。こちらは順次2019年以降に公開される予定です。

遣唐使船も体験できる

奈良時代は、中国である唐との交易が盛になりはじめた時代です。当時の日本は、おもに中国から多くの文物や文化を導入しており、唐との交易によって栄えました。

仏教の寺院にはじまり、平城京やその前の藤原京も、中国や朝鮮の都市計画を模倣したものだったのです。こうした文化や文明を吸収するための国家プロジェクトであったのが遣唐使派遣です。

遣唐使の派遣は、諸説ありますが、西暦630年から907年に至るまでの間に、12回から20回(回数についてはさまざまな説あり)派遣されました。

そのさい、遣唐使船といわれる耐久性のある網代帆が用いられました。実際に安全に行き来できる確率は80%ともいわれており、当時は命がけだったことがわかります。そんな遣唐使船の復元にも乗ることができます。

平城京跡

平城京跡歴史公園へのアクセス

平城京跡歴史公園は国道1号線奈良道路沿いにあります。車でアクセスする場合には有料駐車場を利用することが出来ます。カンデオホテルズ奈良橿原からは車で約40分かかります。

また電車でアクセスする場合には、近鉄奈良駅・JR奈良駅西口から路線バス学園前駅行きにて「朱雀門ひろば前」下車すぐ、近鉄大和西大寺駅南口から徒歩20分ほどの場所にあります。

平城京跡歴史公園の利用案内

平城宮跡管理センター
所在地:〒630-8012奈良県奈良市二条大路南三丁目5番1号
TEL:0742-36-8780
FAX:0742-36-8781
利用料金:無料
駐車場あり:有料
利用時間:9時~16時30分(入館16時まで)

まとめ

平城京跡歴史公園は、平城京遷都から1300年を記念して開始された公園です。その大きさは、まさに東西南北4キロメートルもの巨大な平城京が体感できる公園です。

また当時の歴史的建造物であった朱雀門や朱雀大路、遣唐使船、第一次大極殿、南門といった建造物が続々と復興されているのも特長的です。

さらに観光情報やお土産、食事といった全てが利用できるのもうれしいところ。奈良観光の拠点として利用するのもおすすめです。

また平城京はかつての都であり、その周辺には奈良を代表するお寺たち、東大寺や興福寺、春日大社や元興寺といった観光スポットが目白押しです。

こうした有名スポットと合わせて平城京を訪れることで、より一層、奈良時代の雰囲気を味わうことができます。是非奈良観光の一スポットとして、古代の都を体験してみてはいかがでしょうか。