博多と天神の神社とお寺

商人の町博多の歴史と関わりが深い神社とお寺たち

博多という言葉にはいろいろな捉え方があります。単純に福岡市の博多区のみを指す場合以外に、福岡の象徴として博多という使い方をされる場合、あるいは天神地区なども含めて福岡市の中心部の総称として使用する場合など、さまざまな捉え方があります。

しかし、この博多という言葉に共通して言えるイメージは、九州地方の経済の中心、というイメージで、この捉え方は古来から変わらなかったようです。もともと博多は、今から遡ること850年近く前、有名な平清盛が、1161年に日本初の人工港である袖の湊を建設したことに始まります。

平清盛は、武士でありながら半分商人のような経済感覚を持ち、中国、当時は宋の国ですが、日宋貿易によって国を発展させようという考えを持っていました。例えば有名なのが、現在の神戸に、貿易港である大輪田泊を建設したりした例が有名です。

博多もそんな海外貿易に野心的であった平清盛が築いたことから貿易港としての歴史がはじまり、いわゆる商人の町ルーツがこの袖の湊からはじまりました。当時は、日宋貿易の拠点として外国人の商人との交易が盛んな交易都市として発展し多くの文物がもたらされました。

お茶や、そば、団子といった日本の現在の食文化を形成するさまざまな物にはじまり、書物や文具、絵画、陶磁器といった文化芸術品など。また、そのうちの大きな存在が宗教で、日本の禅のルーツでもある臨済宗も栄西によってもたらされました。

こうした関係から、博多には現在も数々のお寺が残されており、その多くが日宋貿易に関わりの深いものや、商人の町として栄えた経緯と様々な関わりを持っているのです。

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例えば、日本最古の禅寺とされる聖福寺は、臨済宗を伝えた栄西が創建しました。また、同じく臨済宗である承天寺を創建した円爾は、現在までつづく博多の最大の見所、祇園山笠の生みの親でもあります。ちなみに円爾は祇園山笠だけではなく、蕎麦、饅頭、を日本に伝えた人物でもあるのです。

もう一つ、博多の象徴として欠かすことができない存在が櫛田神社です。櫛田神社は博多の氏神として、また総鎮守として現在もその信仰の中心的存在であり、祇園山笠祭りのスタート地点としても利用されています。この櫛田神社も一節には平清盛が日宋貿易の拠点である博多に勧進したという説が有力とされています。

このように、博多の町に残る数多くのお寺は、貿易港として栄、商人の町として発展を遂げた博多の歴史と大きな関わりを持っているのです。本日は、博多と天神における主要な観光スポットの一つでもある神社とお寺についてご紹介します。

櫛田神社:博多の氏神・総鎮守

第一にご紹介する存在が櫛田神社です。櫛田神社は冒頭でもご紹介したとおり、博多の町の氏神として、また総鎮守として古来からその中心的存在でした。もともと櫛田神社の創建は757年に天照大神を勧進したことに始まりますが、以来、総鎮守として博多の経済や政治の中心的存在だったのです。

平清盛が博多を日宋貿易の拠点にしたことをは述べましたが、その際の発展を願って勧進したという説もあり、鎌倉時代には鎮西探題がこの付近に設置され、九州統治の中心的存在でもあったのです。その後戦国時代には荒廃しますが、豊臣秀吉によって復興され、現在も7月の博多祇園山笠などの祭事を行う中心的存在です。

この櫛田神社では、奉納されている巨大な山笠が見れたり、豊臣秀吉が復興した際に築かれた博多塀や、博多歴史館なども見ることができます。

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 櫛田神社の利用案内

住所:福岡県福岡市博多区上川端町1-41

電話:092-291-2951

アクセス:地下鉄「祇園駅」2番出口 徒歩5分

料金:博多歴史館入館料300円

聖福寺:日本最初の禅寺。臨済宗を伝えた栄西創建

お次にご紹介するお寺が聖福寺です。聖福寺は、冒頭でご紹介したとおり、日宋貿易の中心でもあり、禅の文化の発祥ともなった臨済宗を伝えた栄西が創建したお寺です。

創建は鎌倉時代の1195年で、小早川隆景や豊臣秀吉、黒田長政など多くの武将たちからも寄進を受けたお寺です。現在は国の史跡にも指定されているほど美しい独特の姿を残し、多数の重要文化財も所蔵。伽藍形式の美しい境内や、雄大な本堂は禅独特の静寂な雰囲気を感じさせてくれて、貴重な体験をさせてくれます。

ちなみにここは日本のお茶発祥の地でもあり、栄西が伝えたお茶の歴史を示すようにお茶の木が植えられています。

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 聖福寺の利用案内

住所:福岡県福岡市博多区御供所町6-1

交通アクセス:福岡市地下鉄空港線祇園駅から徒歩3分

利用料:無料

 承天寺:うどん、蕎麦、饅頭、山笠、発祥の地

お次にご紹介するお寺が承天寺です。承天寺は上記でご紹介した聖福寺と隣同士にあるお寺で、セットで見ておきたい観光スポットです。この承天寺は冒頭でもご紹介した臨済宗の僧である円爾が創建したお寺で境内では禅寺独特の枯山水の庭園などを垣間見れることができます。

また、この承天寺は、祇園山笠を開始した円爾が、宋から日本に伝えた、うどん、蕎麦、饅頭、博多織発祥の地でもあります。うどんや蕎麦は今や日本食の中心とも言える存在で、饅頭は日本の伝統的なお菓子です。

また、ここ承天寺には宋で織物技術を学び博多織を始めた満田弥三右衛門のお墓も存在します。

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承天寺の利用案内

住所:福岡県福岡市博多区博多駅前一丁目29番9号

交通アクセス:福岡市地下鉄空港線祇園駅から徒歩3分

利用料:無料

 東長寺:史跡、黒田家藩主の菩提寺

上記でご紹介した聖福寺、承天寺とセットでみておきたい存在が東長寺です。東長寺の創建は奈良時代にさかのぼります。日本に数多くのお寺を建設した弘法大師空海が唐から帰国した際に、博多で創建したことにはじまります。

その後、福岡藩が江戸時代に出来た後には、黒田家の菩提寺として現在まで続きます。この菩提寺としては、2代、3代、8代藩主が埋葬されており、史跡にも登録されています。

ちなみに東長寺は最近になって新たに再建される部分が多いのですが、本堂、六角堂、大仏殿、五重塔があり、大仏殿は木造坐像としては日本で最大級とされる10.8メートルを誇り、五重塔は総檜造りで高さ23メートル。また多数の文化財を誇ります。

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東長寺の利用案内

住所:福岡県福岡市博多区御供所2-4

交通アクセス:福岡市地下鉄空港線祇園駅から徒歩2分

利用料:無料

 崇福寺:黒田官兵衛のお墓と、福岡城の城門

もう一つ、黒田家の菩提寺として有名なのが福岡 博多 観光スポット 崇福寺 福岡 博多 観光スポット 崇福寺 福岡 博多 観光スポット 崇福寺 福岡 博多 観光スポット 崇福寺です。崇福寺は先にご紹介した東長寺とともに黒田家歴代藩主のお墓が埋葬されていますが、ここでは黒田家で最も有名な武将、黒田官兵衛のお墓と正室の光、初代藩主の黒田長政とその弟、4代、6代、7代、9代、10代藩主のお墓があります。

ちなみにこの黒田家歴代藩主のお墓は予約制となっており事前に申し込みを行う必要があります。この崇福寺ではもう一つ、黒田家ゆかりの珍しいものがみれます。それがお寺の入口に存在する巨大な山門。

これはかつて福岡城の本丸表御門であったものを移築されたもので、福岡県指定有形文化財として目の当たりにできます。こちらの崇福寺は少し他のお寺と場所が離れているため、別途行く必要があります。

崇福寺の利用案内

住所:福岡市博多区千代4-7-79

アクセス:福岡市地下鉄箱崎線千代県庁口駅5番出口

料金:無料

黒田家墓所:事前予約制 平日9時30分~17時(土日・年末年始休み)

問い合わせ先:福岡市観光課 092-733-5050

 住吉神社:黒田長政創建の本殿が見所。三大住吉の1

博多には日本を代表する神社がもう一つ存在します。それが住吉神社です。住吉神社は日本全国に2000社も存在すると言われる神社ですが、その全ての住吉神社の始源とも言える存在が福岡の住吉神社なのです。

また福岡の住吉神社は大阪の住吉大社、下関の住吉神社とともに「三大住吉」の一つに数えられ、黒田長政によって造営された住吉造りの本殿や、福岡市指定文化財の能楽殿などもみれます。また年間を通じて様々な祭事を行っており、お祭りの季節なども楽しめるのが特長です。

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住吉神社の利用案内

住所:福岡県福岡市博多区住吉3-1-51

アクセス:博多口より徒歩10分

駐車場:あり

利用料:無料

水鏡天満宮:天神の名前の由来にもなった菅原道真ゆかりの地

これまではおもに博多エリアを中心にお寺や神社をご紹介してきましたが、ここからは天神エリアの主要な神社をご紹介します。ちなみに天神というエリアは福岡城の武家町のはずれだったのですが、現在は商業の一大中心地となっています。

そんな天神の名前の由来伴った神社が水鏡天満宮なのです。もともと天神とは日本では菅原道真のことをさしますが、太宰府に左遷になった菅原道真がここ博多に上陸した際に、水面に映る自身のやつれた姿をみて嘆き悲しんだことから、道真公を祀るために建設されたのが始まりです。

また、筑前福岡52万石の中心でもある福岡城を築く際、福岡城の鬼門に当たる場所に移転されたことで現在の場所に移りました。それに従って「天神」の名前もこのエリア一体の名前となり現在のような発展を遂げたのです。

 

水鏡天満宮の利用案内

住所:福岡県福岡市中央区天神一丁目15番4号

アクセス:西鉄福岡(天神)駅下車徒歩5分

利用料:無料

警固神社:厄除けや合格祈願

もう一つ天神エリアで見所の神社が警固神社です。警固神社は天神の繁華街である百貨店が立ち並ぶ駅前の広場にある神社で、駅前公園である警固公園の中にあります。

警固神社の歴史は非常に古く西暦200年というほどの古さ。黒田長政が福岡城を築城した際に現在の場所に移されました。この警固神社は密かなパワースポットとしてしられ、厄除けや合格祈願、足湯などが人気です。

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 警固神社の利用案内

住所:福岡県福岡市中央区天神2-2-20

アクセス:福岡天神駅より徒歩1分

利用案内:無料

 護国神社:巨大な森林と大鳥居が見所の福岡の鎮守

最後に少し離れた場所にある神社スポットとして護国神社があります。護国神社は現在の大濠公園、福岡城跡の近くにある神社で、福岡藩主黒田長知が明治元年に創建しました。

もともと護国神社は戦争で亡くなった人などを祀るために作られたものですが、福岡の護国神社も戊辰戦争で亡くなった福岡藩士を祀るために建てられたものです。

現在は福岡城跡の周辺スポットとして訪れることができ、3000本にも及ぶ巨大な木と、非常に大きな大鳥居が見所です。

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護国神社の利用案内

住所:福岡県福岡市中央区六本松1-1-1

アクセス:空港線 大濠公園駅下車3番・6番出口より徒歩15分

七隈線 六本松駅下車2番出口より徒歩8分

利用料:無料

まとめ

博多と天神には、この地域ならではの歴史や文化に根ざしたさまざまお寺や神社が存在します。特に、博多エリアに残されている神社やお寺は、商人の町として、貿易港として発展してきた博多の歴史と密接に関わってきた存在です。

]また、現代においても、お祭りの中心的存在であったり、貴重な文化観光スポットの一つとして、訪れる人を飽きさせません。是非、博多と天神の観光の際には、一つのまわり方として訪れてみてはいかがでしょうか。