愛媛の伝統工芸・地場産業が楽しめる観光スポット

多数の伝統工芸が眠る愛媛県

愛媛県は瀬戸内海に面した温暖な気候でしられています。愛媛県の特産としてまず初めて名前が上がるのが、こうした瀬戸内海ならではの温暖な気候から育まれる、柑橘類が挙げられるのではないでしょうか。

みかんやレモンなどは愛媛ならではのものとして、お土産でも多くの食品が存在します。しかし、こうした農作物以外にも愛媛県には豊富な伝統工芸や愛媛県ならではの産業が存在するのです。

例えば愛媛を代表する地場産業といえば、タオル産業が有名です。“今治タオル”で有名な今治地方は、大阪の泉州を抜いて日本一の生産量を誇ります。その今治タオル、生産量だけではなく、タオルとしての品質も高品質で、フカフカのタオルは日本全国でも有名です。

今治タオルは現在もタオル生産では1位ですが、これ以外にも愛媛県にはかつて日本一の生産量を誇った産業が存在するのです。

第一が、着物のもとになった絣です。絣とは織物の技法の一つで絣糸を使って縦糸と横糸を通し、模様を表しておる技術。元々はインドや東南アジアで始まり、日本に伝わりました。江戸時代には各藩が財政政策の一つとして、専売制を導入し絣の生産が本格化しましたが、中でも松山で作られた伊予絣は、日本随一の生産量を誇ったとされています。

日本は近代化を遂げても明治・大正と着物文化が残っていたため、絣は普段着の和服用として多用されました。その後洋服が主流になるとともに絣の生産量は減少していきましたが、伊予絣として今でも愛媛の伝統工芸として見ることが出来るのです。

また、もう一つ江戸時代から明治・大正にかけて日本一を誇った産業が愛媛には存在しました。それが木蝋です。木蝋はハゼノキから抽出される油を元に作られたロウソクのことで、江戸時代に大洲藩が藩財政を立て直すために殖産興業として始めたのがきっかけです。

この木蝋も江戸時代だけではなく、明治・大正と日本一の生産量を誇り、海外まで輸出されました。更に愛媛県の伝統工芸として砥部焼は欠かすことができません。砥部焼も木蝋と同様大洲藩の殖産興業で開始された産業ですが、今でも製造販売されています。

このように愛媛県では伝統的な産業や地場産業が豊富で、日本有数の生産地であった歴史を持っているのです。またこうした伝統工芸や地場産業を体験、見学出来るスポットも豊富に揃っています。

今治タオル:高品質日本一の生産量を誇る

冒頭でもご紹介したとおり、愛媛県を代表する地場産業の一つが今治タオルです。元々日本のタオル生産は大阪の泉州(泉佐野市や泉南市など)が中心でしたが、今治タオルは日本一の生産量を誇り、泉州とともに二大生産地としてしられています。

この今治タオルですが、経済産業省の「JAPAN ブランド育成支援事業」にも指定されており、今では高品質なタオルブランドとして日本中から人気です。特にブランディングを手がけたアートディレクターの佐藤可士和氏がデザインしたロゴは有名で、一躍今治タオルの認識が広まりました。

ちなみに今治タオルのブランドは、今治市のタオル製造業者が加盟する「四国タオル工業組合」が定める品質基準に合格したものでなければ、ブランドマークとロゴは使用することができないとされています。その特長は一言でいうならば人に優しい使い心地がいいタオルで、品質基準はタオル片が水中に沈み始めるまでに要する時間が5秒以内という厳しいもの。

スポーツ後やお風呂上がりにも手触りよく高機能に使える品質を持っているのです。この今治タオルは、現在は日本全国で購入することが可能ですが、今治タオルの秘密が知れるスポットは今治にしかありません。それが今治タオル美術館ICHIHIROです。

今治タオル美術館ICHIHIRO

今治タオル美術館ICHIHIROは、今治タオルの様々な展示が楽しめる美術館です。内部では豊富な今治タオルで作られたお土産から、糸から作る製造現場、タオルで作られたムーミンなどの作品まで様々な展示を楽しむことができます。

また、緑豊かなガーデンを眺めながらのカフェレストランなども整っており、見学から食事まで楽しめます。本館は1階から5階まである大きさで、タオル工房から様々なタオルのお土産、四国の物産とお土産が充実。さまざまな楽しみ方が可能です。松山 観光スポット 今治タオル美術館松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館 松山 観光スポット 今治タオル美術館

今治タオル美術館ICHIHIROの利用案内

所在地:〒799-1607 愛媛県今治市朝倉上甲2930

開館時間:9:30~18:00(ギャラリー見学は閉館30分前まで)

※毎週土曜日、連休(最終日は除く)は20:00まで

休館日 年中無休

電話:0898-56-1515

砥部焼

愛媛県を代表する地場産業のもう一つが砥部焼です。砥部焼は冒頭でご紹介したとおり、元々大洲藩の藩財政再建のために始められた産業です。ちなみに大洲藩は大洲市にある大洲城を本拠にした加藤家の藩です。

わずか6万石の小藩ながら教育や産業に力を入れている藩として知られ、砥部焼以外にもこれからご紹介する木蝋生産なども盛んに行っていました。

江戸時代は参勤交代などの莫大な出費を補うために藩財政の立て直しを行うケースが多く、盛んに開墾や殖産工業が行われ、それに伴って人材育成が盛んに行われた時代でした。

例えば大きい例で言えば長州藩などは表高36万石ながら長年の殖産工業などにより、実力は100万石以上とも言われたほどでした。大洲藩も小規模な藩ながら積極的に産業を興したことでしられています。砥部焼は9代藩主加藤泰候の時に砥石くずを使って磁器を作ることから始められたとされ、その歴史は二百数十年に登ります。

砥部焼は白磁と藍色の手書きの模様が特長的で、愛媛県指定無形文化財にも指定されています。松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター

砥部焼観光センター炎の里

砥部焼の観光スポットとして代表的な存在が砥部焼観光センター炎の里です。砥部焼観光センター炎の里は株式会社 砥部焼 千山が運営する砥部焼の一大スポットで、体験から見学、商品の購入まで、砥部焼の全てが揃った場所です。

1階は多数の砥部焼の商品が販売されており、同時にその奥で行われている製造現場を無料で見学することが可能です。普段焼き物の製造現場はなかなか見ることができないため、炎の里での見学は是非おすすめです。

また2階では素焼きの器に絵を書く体験などが出来る体験スペースが揃っており、旅の思い出作りには最適と言えるでしょう。松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター 松山 観光スポット 磯部焼き観光センター

砥部焼観光センター炎の里の利用案内

住所:〒791-2122愛媛県伊予郡砥部町千足359番地

電話番号:089-962-2070

FAX番号:089-962- 6611

体験コーナーは有料

木蝋

上記の砥部焼とともに、大洲藩が一大産業に育て上げた存在が木蝋です。木蝋とはロウソクなどの原料になる蝋のことで、ハゼノキという植物から抽出して作られることから木蝋と言われています。

江戸時代に各藩がこのハゼノキの栽培から木蝋までの加工を行う木蝋生産を藩の殖産工業として開始しましたが、中でも大洲藩の木蝋は日本一の生産量を誇ったと言われています。特に明治時代から大正時代にかけては、ロウソクだけではなく、クレヨンや口紅といった日用品・化粧品の原料として使用され、海外にまで輸出されました。

その後、蝋を原料とする製品が石油にとって変わられることで衰退していきましたが、現在でもその姿を一大生産地であった内子町で見ることができます。特に内子町の八日市護国という町並みは、当時木蝋と和紙生産で栄えた商人の町として、その美しい姿を堪能できます。

またこの八日市護国の町にある上芳我邸木蝋資料館では、木蝋生産の豪商であった芳我家の邸宅や製造現場、木蝋を使った数々の製品が展示されています。松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館

八日市護国と上芳我邸木蝋資料館

八日市護国は町並みそのものが伝統的な価値があるとされる重要伝統的建造物群保存地区に指定されている場所で、全長約600メートルほどにわたって、昔ながらの町並みが残されています。この八日市護国エリアは商人の町として知られ、江戸時代から明治・大正と木蝋と和紙で栄えた大洲藩の商人町としての姿を堪能できます。

とりわけここにある上芳我邸木蝋資料館では木蝋のあらゆる展示が楽しめます。上芳我邸木蝋資料館は実際に芳我家の邸宅であった主屋や、木蝋の製造現場、木蝋製品の数々が展示されてある資料館で構成されています。中でも芳我家の邸宅は当時の豪商の勢威を示す豪壮な作りがそのまま残されており、かつての商人の暮らしぶりがどのようなものであったのかを体験できます。

また木蝋資料館では、今では見ることができない当時の美しい製品の数々が展示されており、ロウソクやクレヨン、化粧品といった品々を目の当たりにできます。八日市護国や内子町は上芳我邸以外にも街歩きを堪能できます。松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館 松山 観光スポット 上芳我邸木蝋資料館

上芳我邸木蝋資料館の利用案内

住 所:喜多郡内子町内子2696

定休日:年末年始(12/29~1/2)

電話番号:0893-44-2771

駐車場:なし/町並駐車場(有料)あり

営業時間:9:00~16:30

料金:大人500円/小・中学生250円

大人(20名以上)380円/小・中学生(20名以上)200円

※セット券(木蝋資料館上芳我邸、内子座、商いと暮らし博物館共通券)あり

伊予絣

伊予絣は松山で生産されている絣で松山絣とも言われる愛媛の伝統工芸です。日本三大絣の一つにも上げられ、かつては絣の生産量では日本一を誇ったとされています。冒頭でもご紹介したとおり絣はもともとインドや東南アジアから伝わった織物の技法ですが、伊予絣はその創設者でもある鍵谷カナが独力で織出したと言われています。

鍵谷カナは江戸時代後期の女性で、当時は農家の女子が農業の合間にこの伊予絣を生産することから始まりました。その後明治時代を通じて製造方法が改良され爆発的に普及、日本一の生産量を誇ります。その後洋服文化の浸透によって和服を着る機会が圧倒的に少なくなったことから減少していきます。

伊予絣の特徴は天然藍染めによる美しい模様で、愛媛県指定の伝統的特産品に指定されています。松山 観光スポット 民芸伊予かすり会館 松山 観光スポット 民芸伊予かすり会館

民芸伊予かすり会館

民芸伊予かすり会館は松山にある伊予かすりの体験からお土産購入まで出来る記念館です。また資料館では伝統的な伊予絣の製造工程を目の当たりにすることが出来、かつて日本一の生産量を誇った伝統工芸を感じることができます。

併設されているショップでは伊予絣によって作られたさまざまな製品が販売されており、Tシャツやシャツなどさまざまな製品も販売されています。松山 観光スポット 民芸伊予かすり会館 松山 観光スポット 民芸伊予かすり会館 松山 観光スポット 民芸伊予かすり会館

 民芸伊予かすり会館の利用案内

所在地:〒791-8016 愛媛県松山市久万の台1200番地

TEL:089-922-0405

FAX: 089-922-0050

開館時間/午前8時10分~午後4時50分

年中無休(12/31・1/1は午後3時まで)

見学所要時間/40分

駐車場/大型バス20台駐車可・普通車50台駐車可

入場料:大人(大学生含む) 100円、小、中、高校生  50円

まとめ

これまで述べてきたとおり愛媛県にはさまざまな伝統工芸と地場産業が存在します。こうした産業は愛媛県ならではのもので、同時に観光をより充実したものにしてくれることでしょう。

愛媛県の観光の一つの切り口としておすすめです。