かつて生産量は日本一。日本の近代化を土管で支えた常滑がわかる土管坂

日本一の土管生産量を誇った常滑と象徴的な土管坂

常滑の観光スポットといえば、焼き物の街と歴史がまるごと体験できる常滑焼き物散策道が有名です。その常滑焼き物散策道を最も象徴するスポットといえば土管坂がまずあげられます。土管坂は坂道に土管が埋め込まれ、左右には土管の山と焼酎瓶が埋め込まれた壁で覆われる独特のとおり。

独特の雰囲気と昭和レトロな感じを残すことから映画の撮影場所などでも使われるスポットです。そんな常滑焼き物散策道を象徴する土管坂ですが、実は常滑はかつて土管の生産量で日本一を誇った街でもあるのです。土管というと主に排水路や煙突などに使用する円筒形のパイプで、今では強化プラスチックやポリエチレンといった樹脂製が一般的ですが、かつて昭和中頃までは陶器によるものが中心でした。

常滑は明治時代から昭和時代にかけてこの土管の生産量で日本一を誇った場所でもあるのです。その土管生産量は全国の半数以上を超え、まさに下水道整備といった日本の近代化を陰ながら支え続けたのです。そんな常滑の焼き物産業の中心的存在とも言える土管を象徴したものが、焼き物散策道でみることができる土管坂なのです。そこではレトロな雰囲気の裏に隠された常滑の産業の勃興が伺えます。

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

土管坂へのアクセス

土管坂は常滑焼き物散策道の最大の見所の一つです。もう一つの坂のスポットであるでんでん坂と廻船問屋瀬田家から南に10メートルほどくだった場所にあります。焼き物散策道はおよそ1時間ほどかけて常滑の歴史と産業を象徴する建造物を見て回れる観光散策コース。土管坂はその中盤あたりに登場します。焼き物散策道は常滑駅からも近く車もとめられる常滑陶磁器会館をスタート地点として回るのがベスト。カンデオホテルズ半田からも車で20分ほどでいくことができます。

土管坂へのアクセス

23メートルの坂に63本の土管と390本の焼酎瓶

土管坂は全長23メートル程の小さい坂です。しかしその短い道路には土管と焼酎瓶がびっしりと敷き詰められており、独特の雰囲気を出しています。道には土管の焼成時に使用する捨て輪である「ケサワ」というものが敷き詰められており、坂を滑りにくくして登りやすくする工夫が施されています。

登る際の左側には土管が整備されて積まれており、右側には、昭和初期にこの常滑で生産されていた焼酎瓶が壁に埋め込まれ左右の壁の役割を果たしています。ちなみに使用されている土管の数は63本、焼酎瓶の数は390本にも登ります。また、この土管坂では散策する人たちが休むことができるように土管坂の入口である下の部分には花畑の小さい公園が、土管坂の途中には休憩所が設けられており、散策の骨休めにはちょうどいいでしょう。

こうした独自の景観から、国土交通省が認定する、二つの賞、手づくり郷土(ふるさと)大賞と、ふるさとの坂道三十選にも選出されています。

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

左右には土管と焼酎瓶が敷き詰められています

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

焼き物散策道の休憩所も

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

入口前には公園がありこちらでも休めます

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

わずか23メートルの坂ながら多数の土管が

土管と密接な関係がある便器の製造にもつながる常滑

日本は上下水道が整備された珍しい国ですが、上下水道の整備には二つの建築資材が重要な役割を果たします。第一が、既にこれまで述べてきたとおり、排水を行うための土管。第二が土管とセットで排水のために必須の便器です。実は土管と便器はひと組で初めて排水ができ、優れた衛生環境を作ることが出来るのです。

こうしたことから、常滑では便器の製造も行ってきました。その製造を代表している企業が有名なINAXです。INAXといえば便器とトイレで知らない人がいないほど有名な企業。常滑の土管生産量と、便器の有名メーカーINAXが密接な関係にあることが伺えますね。

ちなみにINAXは現在はLIXILグループに入っていますが、今でも本社を常滑の地に構え、焼き物散策道の先にあるINAXライブミュージアムでさまざまな焼き物体験ができます。また常滑で生産されてきた下水を整備する土管と、もはや芸術品の域に達している美しい便器の展示をみることができます。

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

かつての土管の生産数1位

土管坂 常滑焼 常滑焼もの散策道

一大産業でした

まとめ 常滑焼の歴史が感じられる坂

土管坂は、常滑焼き物散策道を象徴する見所スポットですが、その背後には常滑を支えた二大産業、土管と便器の製造という部分を伺うことができるスポットです。また、土管と便器の製造が、日本の上下水道整備という近代化を支え、清潔で暮らせる衛生環境の整備にまで及んでいるということが、この土管坂からわかります。

こうした繋がりは、焼き物散策道の先にあるINAXライブミュージアムとセットで見るとより一層旅が充実するかもしれません。見た目の雰囲気だけではなく、常滑の街の奥深い一面が伺えるスポットです。

カンデオホテルズ半田