宇和島市立伊達博物館。伊達家の歴史がわかる

宇和島市立伊達博物館と宇和島の観光

宇和島市は、愛媛県の最南部に位置する市で、豊富な観光スポットが登場する町です。宇和島は、もともと江戸時代には伊達家10万石の城下町として栄え、宇和島城をはじめ、伊達家にちなむ観光スポットが多数登場します。

伊達家といえば、独眼竜政宗として知られる伊達政宗が有名ですが、宇和島藩の伊達家は、この伊達政宗の長男が仙台からはるばる来て築いた藩なのです。そのため、江戸時代には町人と武士で話す言葉も異なったと言われています。

本日ご紹介する宇和島市立伊達博物館も、そんな伊達家ゆかりの観光スポットとして、多くの文化財が目の当たりにすることができます。

松山 宇和島 観光スポット 伊達博物館

宇和島藩が生まれた理由

もともと伊達家は政宗の代に大いに勢力を拡大し、奥州を席巻するほどの勢いを見せました。しかし、豊臣秀吉の天下統一事業の前に屈し、豊臣家の大名として仕えることとなったのです。そのさい、政略に優れる伊達政宗は、恭順の意を示すため自らの長男に、豊臣秀吉の“秀”の字をもらいました。

また、秀の字をもらうだけではなく、秀吉の猶子となり、豊臣の性までもらったのです。しかし、その後豊臣家が衰退するにおよび、状況はかわります。本来なら、当時の習わしとして、長男が家を継ぐ予定ですが、時代の変化によって、また伊達家保全を確固たるものにする政宗の方針によって、秀宗は家督げなくなりました。

関ヶ原の戦い後、江戸幕府の体制の下で徳川家に従う伊達家では、次男に将軍徳川秀忠から“忠”の字をもらい、伊達忠宗として政宗の跡を継ぐことになったのです。その後、大坂の陣の功績により、伊達家が宇和島10万石を恩賞としてもらった際に、家督を継げなかった秀宗に与えられたのが、宇和島藩の始まりなのです。

この伊達家宇和島藩の成立時には、仙台から家臣団57騎、足軽、小物1200名近くが入部しました。その後宇和島藩は8代にわたって続き、8代藩主伊達宗城の時代にはわずか10万石という小藩ながら先進的な藩としてしられました。

この伊達宗城は、幕末の動乱の時期には、四賢候とし活躍し、軍艦や大砲を建設するなど仙台藩とは対照的に西洋化が進んだ藩だったのです。そんな宇和島藩には初代秀宗が政宗から賜った家宝なども多く残り、いまも残されています。宇和島市立伊達博物館には、宇和島藩の歴史がわかり、更には家宝が保存された博物館として楽しめます。

 

宇和島市立伊達博物館の見所

宇和島市立伊達博物館は、宇和島城のすぐそばにあり、かつての伊達家屋敷跡に建設された博物館です。冒頭でご紹介したように、宇和島藩の初代藩主でもある伊達秀宗の歴史から、宇和島藩の成り立ちがわかります。ここではその見所についてご紹介しましょう。

松山 宇和島 観光スポット 伊達博物館 松山 宇和島 観光スポット 伊達博物館

豊臣秀吉肖像画を所蔵

宇和島市立伊達博物館の最大の見所の一つが、誰しも一度は目にしたことがある豊臣秀吉の肖像画です。豊臣秀吉の肖像画は全国に5件あると言われていますが、そのうちの一つがここ宇和島市立伊達博物館に所蔵されています。この豊臣秀吉画像は国の重要文化財にも指定されています。

 

伊達家伝来の重要文化財の数々

この宇和島市立伊達博物館では、上記でご紹介した豊臣秀吉像以外にも数多くの文化財が所蔵され目にすることができます。その貯蔵点数はなん4万点にもおよび、その全てが、江戸時代を通じた伊達家伝来のものになります。

宇和島と伊達家の歴史を知るにはこの博物館が最適です。また、冒頭でご紹介したとおり、伊達秀宗はもともと仙台伊達氏の長男であったことから、江戸時代には父政宗と仲直りし交流を深めていたとされています。そのため、晩年に親しくなった政宗から送られた茶道具などの家宝もここでは貯蔵されており、企画展などが開催された際には目にすることができるのです。

 

偕楽園跡の庭園

宇和島市立伊達博物館は博物館の外にも見所があります。それがかつての日本庭園であった偕楽園跡です。伊達博物館のすぐ近くには、伊達氏の殿様の庭園であった天赦公園がありますが、この博物館の敷地内にある偕楽園もかつての大名庭園として、江戸中期の縮景風池泉回遊式庭園の一部であったとされています。

松山 宇和島 観光スポット 伊達博物館

西郷隆盛と伊達宗成会見の場

宇和島市立伊達博物館の外には、現在は道路になってしまっていますが、かつて幕末の四賢侯といわれた伊達宗成と、維新三傑の一人、西郷隆盛が会見したと言われている場所がのこされています。西郷隆盛は薩摩藩の中心人物として、当時明治維新の中心的な役割を果たした人物です。

一方、伊達宗成は宇和島藩主としてまた四賢侯の一人として、幕政を動かした人物として知られます。そのさい、四人の優れた藩主、伊達宗成と、土佐の山内容堂、越前福井の松平春嶽、薩摩の島津久光とともに、四人での会議を行うため、伊達宗成の参加を呼びかけるため、西郷隆盛は、この地に立ち寄り、あったとされています。それが宇和島市立伊達博物館の外にある柳の木の場所だったのです。

伊達宗成は当時、わずか10万石の小藩ながらも、蘭学を盛んに奨励し、藩の西洋化に積極的だった人物で、ペリーの来航にも敏感に反応し、上記の薩摩の島津久光の兄、島津斉彬などと共に、独自に蒸気機関で動く船を建設したり、西洋式の大砲の砲台を作ったりした人物として知られています。

松山 宇和島 観光スポット 伊達博物館

宇和島市立伊達博物館へのアクセス

宇和島市立伊達博物館は、宇和島の観光スポットの一つ、大名庭園の天赦公園のすぐ近くにあります。直接車でいくことがおすすめです。電車の場合は予讃線宇和島駅から車で6分ほどかかります。

宇和島市立伊達博物館は天赦公園から徒歩2分ほど、宇和島城の入口の一つでもある上がり立ち門まで徒歩6分ほどの距離に、目の前には伊達宗城と西郷隆盛会見の場所もあります。このように宇和島市立伊達博物館は宇和島観光のメインスポットにあるためその他の観光スポットとセットで回られるのがおすすめです。

カンデオホテルズ松山大街道から宇和島までは車で1時間30分ほどかかります。

 

宇和島市立伊達博物館の利用案内

所在地:〒798-8601 愛媛県宇和島市曙町1番地

TEL:0895-24-1111

FAX:0895-24-1121

開館時間:午前9時~午後5時、入館受付は午後4時30分まで

料金:大人500円、高校生大学生400円、65歳以上400円、中学生以下無料

宇和島市立伊達博物館の周辺観光スポット

宇和島市立伊達博物館は、ちょうどかつての伊達家の邸宅があった場所にあります。そのためその周辺には伊達家由来の観光スポットが存在します。

また、ちょっと遠いですが、宇和島を代表する観光スポットである宇和島城まで足を延ばしてもいいでしょう。ここでは宇和島市立伊達博物館とセットで楽しめる周辺観光スポットをご紹介しましょう。

 

天赦園。伊達家の大名庭園

宇和島市立伊達博物館から歩いて数分の場所にあるのが、かつての伊達家の大名庭園であった天赦園です。天赦園は、伊達家第7代藩主であった伊達宗紀が、自らからが隠居する場所として建設したのが始まりです。

この伊達宗紀は、なんと100歳近くまで長命した大名として知られ、1792年に生まれ、明治22年の1889年まで生きたとされています。1844年に、養子に迎えた伊達宗城に家督を譲り自らは江戸に隠居をしますが、それから20年後の1866年に、隠居場所として天赦園を作ります。

天赦園の由来は、伊達家の藩祖とされる伊達政宗の詩からとったもので、同じく伊達政宗が隠居した後の自分を謳った歌であったことから、天赦園と名づけられました。ちなみに、伊達政宗は戦国時代の大名には珍しく漢詩を作ることが出来た人物で、それも一流の出来栄えだったとか。

また漢詩の題材も常に自分自信を題材にしたもので、天赦園の詩も、自ら若い頃天下を目指し戦ったが、いまでは白髪の老人になっており世を楽しんでいるといった内容のものから取られています。伊達宗紀は、そんな政宗にあやかって、この場所で隠居し、98歳になるまで長命しました。

この天赦園は、総面積:1240m²のうち3分の1が池で占められています。大名庭園で、内部では美しい池泉回遊式の庭園を見ることができます。現在は国の名勝にも指定されており、美しい静かな庭園を味わうことができます。

松山 宇和島 観光スポット 天赦園 松山 宇和島 観光スポット 天赦園 松山 宇和島 観光スポット 天赦園

宇和島城。伊達家10万石の居城

宇和島市立伊達博物館で伊達家の成り立ちや歴史を知った後は、その伊達家が江戸時代を通じてこの地を納めた10万石の居城、宇和島城を観光されることをおススメします。宇和島城は、戦国時代の築城の名手とされた藤堂高虎が設計した名城で、この地の地形を生かした広大な平山城として知られています。

現在は中央部に残る本丸部分が中心に残されていますが、その作りは非常に堅固で、本丸の頂上まで上るのにはかなりの時間を要します。また宇和島城の区画は実際は5角形なのですが、外からは4角形にしか見えず、その分攻略する側に錯誤を起こさせる作りをしており、そこにも築城の名手とされた藤堂高虎の知恵が詰まっています。

また宇和島城では、本丸に残る天守閣が江戸時代に建て替えられたものがそのまま残されており、大変貴重な姿を目の当たりにすることができるのです。更に正面の入り口とは別に、搦手門とされた上り(のぼり)立ち門は、市指定の文化財として現存し、目の当たりにすることができます。こちらも伊達家ゆかりの観光スポットとしておすすめです。

松山 宇和島 観光スポット 宇和島城 松山 宇和島 観光スポット 宇和島城

まとめ

宇和島市立伊達博物館には他にも8代藩主で幕末の四賢候といわれた伊達宗城像や、江戸時代の大規模回遊式庭園の名残が残されています。この部分はかつて、博物館の目の前が伊達宗城と西郷隆盛が会見した場所であったとおり、かつての伊達家の広大な屋敷だったことが推察されます。

こうした場所にある中でも、宇和島市立伊達博物館は宇和島市と伊達家による奥深い歴史を感じることができるスポットの一つです。周辺の天赦公園などとセットで回られるのがおすすめです。